お年寄りにとってお散歩は筋力低下を防ぐために重要なトレーニングです。
お散歩をするときには靴を履きますが、靴を脱いだり履いたりという作業が大仕事だったりします。
靴は履くときよりも脱ぐときの方が大変。
ウチのおばあちゃんの靴選びには脱ぎやすさも考慮しています。
足の変形
人は年齢を重ねるごとに足が変形します。
外反母趾などはよく耳にしますが土踏まずが平らになってしまって偏平足気味にも変形します。
偏平足になると歩く時の姿勢や膝への負担などが増えるので靴を選ぶときには「土踏まずがある」製品を選ぶようにすることが大切。
また足の幅も広がりますし、むくみも出てくるので足の甲も高くなって足回り(これを足囲といいます)が太くなってしまいます。
一般的に足囲が太くなると靴に足を入れづらくなると言われているので、足囲は靴を選ぶときの重要な数値になります。
ウチのおばあちゃんも年齢を重ねるごとに足の変形が著しくなって細いタイプの靴を履きづらくなってしまいました。
お年寄りの靴選びのポイント
お年寄りの靴を選ぶときは以下のポイントに注意して選びます。
- 幅が広いこと
- 甲が高いこと
- 土踏まずがあること
- かかとを上げたときにかかとがズレないこと
- つま先に余裕があること
靴ひもを結ぶタイプの靴は避けた方が無難です。
最近は靴紐の代わりにファスナーがついているタイプの靴がありますが、あの靴は良いですね。
おばあちゃんも楽に靴を履けるようです。
靴の重さは軽いに越したことはありませんが、過度に気にしなくても大丈夫。
通気性はしっかり確保されたモデルがいいでしょう。
通気性の良い靴は雨の日に水が染み込みやすい心配がありますが、お年寄りは雨の日はお散歩しません。
ヒールは全く不要。
おばあちゃんのお散歩を見ていると靴の高さは低いほど良いように感じます。
ただ、あまり地面のデコボコが足に伝わるような靴底はやめましょう。
本当は実際に試し履きをして選ぶのが良いのですが、現実的にはデパートまで出向くのが難しく通信販売で購入することが増えてきました。
私も高齢者向けの通販で販売されている靴を幾つか購入したことがありますが、特に大きな問題はありませんでした。
靴のカタログでは足囲を「E」という単位で表現しています。
お年寄り向けの靴は「4E」から最近では「5E」などという幅広のサイズもあり、サイズ展開はここ最近随分と豊かになりました。
高齢者向けの靴も選びやすくなってきたことはありがたいことです。
一足は用意しておいたほうがいい黒い靴
女性は歳をとるとヒールのある靴はちょっと無理があります。
運動靴タイプの靴を中心に何足が持つことになると思いますが、黒は絶対に必要です。
お年寄りはお葬式に参列する機会が多く、その際にはどうしても黒い靴が必要になるのです。
冠婚葬祭用としてよく見かけるヒールのあるパンプスタイプの靴は履けません。
高齢者用の靴で出かける時に慶事ならともかくお葬式の場合は黒い靴でないとおかしいですし、お年寄りはこの手のお作法に敏感なのでカラフルな靴は絶対に嫌がります。
黒は最低でも1足は必要になるでしょう。
介護シューズは全くの別物
介護シューズという靴があります。
これは自力での歩行が困難なお年寄りが履く靴で、お散歩に使用する靴とはちょっと違います。
リハビリを主体とした作りになっていて、マジックテープで靴の開口部を広げたりするものなので一般的な靴とはやや趣が異なると考えた方が良いでしょう。
まとめ:脱ぎやすく履きやすい靴で楽しくお散歩
80歳を過ぎると長距離を歩くことはありません。
せいぜい30分ほど長くても1時間程度のお散歩に履く靴ですから靴としての性能に多くは求めません。
大切なことは脱ぎやすく履きやすい靴であるということ。
お年寄りの足は若い人に比べて浮腫んでいて、靴の脱ぎ履きが大変です。
履くときは靴ベラなどでサポートできるので、どちらかというと脱ぐときの方が問題です。
おばあちゃんの感想としてはファスナーで開口部を調整できるタイプの靴がお気に入りらしいので、お年寄り向けに靴をご購入する際は参考にしてください。