我が家のおばあちゃんは五本指の靴下がお気に入りです。
おばあちゃんはハッキリとした理由も無いままに愛用しているのですが、お年寄りの靴下には五本指がおススメなのです。
なぜならば、高齢者にとっては致命傷になりかねない「転倒」のリスクを少しでも軽減するために有益だからです。
寝たきりに直結するお年寄りの転倒事故
高齢者は転倒すると骨折を伴うことが多く、若い人では何でもないような「転ぶ」ということが重傷事故に発展する傾向が顕著です。
骨折をするとほぼ入院治療を余儀なくされますが、この入院生活が寝たきりへの入り口になってしまうのです。
これは実際に経験しないと理解できないかもしれませんが、お年寄りにとって入院をするということはそれが例え一週間ほどの期間であっても致命傷になるのです。
入院して帰宅すると、足腰が弱り果てて容易に歩けなくなったという話は枚挙に暇がありません。
お年寄りは絶対に転倒させないように細心の注意が必要なのです。
五本指靴下の効力
運動部に所属する我が家の子供は五本指のソックスを履いています。
それはスポーツのパフォーマンスが向上するという理由からスポーツクラブの監督に推奨されているからです。
おばあちゃんは子どものスポーツクラブに全く接点が無く、誰にも勧められていないのに五本指靴下を愛用していたので不思議に感じていました。
まさか80歳を過ぎたおばあちゃんがスポーツのパフォーマンスを意識するとも思えません。
そこでなぜ五本指の靴下を履いているのかおばあちゃんに直接聞いてみました。
すると返ってきた答えは
「楽だからよ」
だそうです。
五本指の靴下はお年寄りにとって自然な心地好さがあったのですね。
その「心地よさ」についてもう少し掘り下げてみます。
踏ん張りが効く
五本指靴下は袋状に編まれた普通の靴下に比べて踏ん張りが効きます。
スポーツのパフォーマンスでいうと、例えば反復横跳びの成績が向上したりするそうです。
足の指がそれぞれ自由に動く形は下半身の運動に僅かながら影響を与えていて、それが歩行を楽にすることに繋がっているのでしょう。
我が家のおばあちゃんは運動のパフォーマンスなんて全く気にしていませんが、それでも五本指靴下を試し履きしてみて
「こりゃいいわ!」
という感覚を得たんだと思います。
実際に五本指靴下を履いてみると良くわかりますが、通常の袋状タイプの靴下では靴下の中で不安定な足の指が五本指ソックスではしっかりと地面を掴んでいる感覚を感じられます。
ちょっとした変化ですが、高齢者にとっては大きな違いになって歩行の助けになるのです。
足の五本指がくっつかない
五本指靴下は足の指がくっつきません。
これは「水虫」の予防にもなるのですが、特に夏場などは汗でべたつく不快感を軽減してくれます。
そして靴下を履いた状態でそれぞれの足の指をスリスリと動かせる感覚は通常の靴下では味わえない心地好さがあります。
些細なことの積み重ねですが、五本指靴下は袋状の靴下にはない履き心地を感じられます。
五本指靴下は履くのに苦労する
五本指靴下は履くときにちょっとした苦労があります。
足の五本指を上手に靴下の指部分に入れないといけません。
が、これはすぐに慣れます。
ほんの1,2週間もすれば普通に履けるようになってしまうので心配は要りません。
もしお年寄りに五本指靴下を勧めて、履くのが大変と言われたら1週間ほど頑張ってもらいましょう。
直ぐに五本指靴下の魅力に夢中になってしまいますから。
靴下の素材
靴下の素材は断然「綿」がおススメです。
理由は滑りづらいから。
ストッキング生地のような薄手の靴下はフローリングで滑ります。
床だけでなく、階段で滑るととても危険。
ストッキングのような生地に比べて綿の靴下は滑りづらいという特性があるらしいのです。
靴下を滑りづらくする工夫として、足裏の部分にボチボチの滑り止め加工を施した商品も販売されています。
でも、おばあちゃんはどうもこのボチボチが苦手のようで、歩きづらいとか足の裏が痛いとか言って使いたがりません。
また靴下の滑り止め加工は洗濯を繰り返すと効果が薄れてしまう傾向があって、経済的にもあまり好ましくありません。
綿素材の靴下で多少でも滑りを抑えられるように配慮しておきたいですね。
まとめ:ちょっとした違いが大きな違い
お年寄りの場合、若い人が感じることの出来ない些細なことが大きなインパクトとして跳ね返ります。
例えば地面にある数ミリ程度の凹凸(おうとつ)が原因で躓いたりします。
うちのおばあちゃんは、足元の環境に敏感なお年寄りだからこそ、五本指靴下の心地好さに気付いていたのかもしれません。
もしまだ五本指靴下を履いたことのないおじいちゃん、おばあちゃんがいたら是非勧めてみてください。
きっと喜ばれると思いますよ。