米寿のお祝いを主催して分かった失敗しない長寿の祝宴の進め方

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還暦(六〇歳)・古希(七〇歳)・喜寿(七七歳)・傘寿(八十歳)・米寿(八八歳)・白寿(九九歳)など、長寿のお祝いを「寿賀(じゅが)」と言います。

寿賀祝いと言われることもあるお祝い事ですが、その趣旨はおじいちゃん・おばあちゃんの長生きをみんなでお祝いしようということです。

我が家のおばあちゃんも米寿を迎え、親戚一同が集まって祝宴を催すことが出来ました。

実際に米寿のお祝いの幹事役を務めた経験を通して、寿賀の段取りや注意点などをお伝えします。

長寿のお祝いは数え年と満年齢のどちらで行うのか?

年齢の数え方には「満年齢」と「数え年」があります。

大雑把な性格の私には「満年齢」と「数え年」の違いなんて些末なことに思えてしまいます。

だからあまり気にしていなかったのですが、長寿のお祝いは年齢の数字に意味があるのでこれはあまり疎かには出来ないぞと、あらためて調べてみました。

還暦は満年齢、還暦以外は全て数え年

まずは主役のおばあちゃんに長寿祝いのタイミングを教えてもらったところ
「寿賀は数え年でやるのが普通ね。」
とのご回答。なるほど。。。

おばあちゃんのお知恵を拝借した後に、自分でも調べてみると長寿祝いをする年齢の数え方が分かりました。

長寿祝いは「還暦」のみが満年齢でお祝いして、「還暦以外」は全て数え年でお祝いをします。

「還暦」は十干十二支が一周して60年経つことに意味があるので、満年齢で数えてお祝いするのです。

米寿のお祝いをする会場の選び方

長寿祝いの宴席では、会場選びも気を遣います。

もちろんご自宅で催されることもあるでしょうが、招待するお客様の人数が増えると自宅で行うホームパーティーでは手狭になってしまいます。

また、自宅での祝宴だと、準備や後片付けなどが意外に大仕事になるもの。

長寿のお祝いでは、パーティー会場の選び方によって祝宴全体の印象が左右されてしまうほどに会場の存在感は大きなインパクトがあります。

予算との兼ね合いもありますが、ご自宅よりもホテルや飲食店で催すのが良いかもしれません。

実体験から米寿祝いのパーティー会場選びのポイントをまとめてみました。

長寿の祝宴会場は貸し切りにしたい

祝宴の会場は出来る限り貸し切りで用意したいものです。

祝宴では乾杯の挨拶や長寿をお祝いするメッセージ、孫たちからも「おめでとう!」という言葉が掛けられます。

だから他の利用者がいない身内だけの空間を用意して、誰にも気兼ねすることなくお祝いを楽しめるようにしたいですね。

祝宴会場の見栄えにもこだわりたい

長寿のお祝いは毎年のお誕生日パーティーとは違って、主役にとってはハレの日のお祝いです。

体裁の整った会場ならば見栄えもしますし、主役も引き立つもの。

例えば「床の間」があるだけで、ハレの日を感じることが出来ます。

会場がどのような作りになっているかという点にはこだわってみましょう。

お店に予約の電話をして長寿の祝宴である旨を伝えたときに、電話口で「おめでとうございます。」という対応が出来るようなお店であれば問題ないでしょう。

お年寄りが多い長寿のお祝い会場のトイレは要チェック

米寿のような長寿のお祝い会場のトイレは必ず確認しておくこと!

お年寄りにとって、トイレはとても難しい問題です。

最近は少なくなりましたが、高齢者の場合、和式のトイレには全く対応できません。

また居酒屋やコンビニにあるような狭いトイレも敬遠したいところです。

広めの場所に手摺りなどがあること、そして足もとの段差が少ないバリアフリーのトイレがあることは、事前に確認しておくとよいでしょう。

冬の場合は、トイレにも暖房が効いていると助かりますね。

会場へのアクセス

米寿の祝宴を開催する会場があまりに不便な場所にあると、高齢者にとって大きな負担になってしまいます。

最寄りの駅からの距離やタクシーでの利用のしやすさなど、会場までのアクセスは確認しておきましょう。

お年寄りの場合、最寄駅からの距離が中途半端だとタクシーの使用を躊躇することがあります。

ワンメーターでタクシーを使うなんて申し訳ないなんてことを言いだすので、先回りして高齢者の考え方に配慮するように心がけましょう。

座敷席よりも椅子席の方が安心できる

米寿は長寿のお祝いでも特にご高齢のお年寄りのお祝いになります。

主役のみならず、ご招待したお客様も年齢が高いケースが多いでしょう。

足腰が弱って杖を携えたお年寄りのことも考慮すると、座敷席よりも椅子席の方が安心できます。

宴席ではトイレに立つ回数も多くなりますし、椅子席ならば介添えもしやすくなります。

高齢者の祝宴はホテルのレストランが無難

長寿の祝宴に特有な様々な事情を勘案すると、ホテルのレストランは無難な選択と言えます。

ホテルであれば少々早く会場に到着してしまっても、ロビーなどで座って待機出来ます。

また廊下の作りも広く、トイレなどもバリアフリー化が進んでいるでしょう。

料亭やお寿司屋さんは和風の作りが多いので、座敷席などで靴を脱ぐこともあるでしょう。

靴を脱ぐことはお年寄りにとっては重労働なのです。

祝宴会場の作り的には、ホテルのような会場が無難な選択になるでしょう。

米寿のお祝いのご祝儀と会費

米寿のような寿賀の祝宴へのお招きを頂いて出席する際には、必ずお祝いを持参しましょう。

これは結婚式に招待されたときと同じ感覚です。

ご祝儀の場合、金額の相場が気になりますが、目安としては祝宴を催す会場を参考にするとよいと思います。

例えばホテルのレストランで、高価なコース料理が振舞われるようなケースではそれなりの金額を包んでおけば安心です。

また、ご自宅でホームパーティーのように集まるのであれば、それほど大きな金額は不要でしょう。

米寿のお祝いのような寿賀の祝宴では、お食事に必要な金額にお祝いの気持ちを少し加えて包むように心がければ間違いはないでしょう。

会費を持参するかどうかは、そのパーティーが会費制かどうかによります。

会費制で祝宴を開催する場合、「会費制ですのでご祝儀は不要です」と案内があるのが普通です。

会費制のパーティーならば当然会費を持参しますが、会費制と案内が無ければ会費は不要です。

但し、会費制でなければご祝儀を忘れずに持参します。

米寿のお祝いに参加するときの服装

長寿祝いの祝宴に参加する時の服装は、男性はスーツ、女性もそれなりの装いで参加するのが正式です。

でも、身内だけで催す場合は、普段着より少しあらたまった程度の服装で問題ないでしょう。

ウチのおばあちゃんの米寿祝いでは、皆さん動きやすい服装でした。

米寿お祝いのプレゼント

ご祝儀として長寿のお祝い金を包むのですから、わざわざお誕生日プレゼントを別に用意する必要はありません。

ただ綺麗にラッピングされたプレゼントがあると、パーティーの場がとても華やかになります。

ちょっと気を利かせて、小さな贈り物を準備しておくと、とても喜ばれると思います。

長寿祝いプレゼントの選び方

米寿のような長寿祝いのプレゼントはどんな品物を選ぶのか迷いますが、プレゼント選びはお孫さんに任せてしまった方が良いでしょう。

最近の若い人はプレゼント選びのセンスが良くて、任せてしまっても全然問題ありません。

ちなみに、ウチのおばあちゃんの米寿祝いのプレゼントは誕生石のネックレスでした。

価格は1万円前後とお手頃でしたが、米寿になって宝石のアクセサリーをプレゼントして貰えるなんて本人も予想外だったらしく、とても喜んでくれました。

プレゼントしてもらったネックレスを付けて旅行に出ることを楽しみにしています。

部屋に籠ることが増えてしまうお年寄りですが、外出が楽しみになるような贈り物って良いですね。

長寿祝いプレゼントの渡し方

米寿の祝宴でのプレゼントの渡し方ですが、長寿のお祝いではお孫さんから渡すようにすると祝宴も盛り上がります。

プレゼント贈呈の時間を用意して、孫たちがおばあちゃんの周りに集まり、お祝いの言葉と共にプレゼントを手渡しします。

この時はシャッターチャンスですので、積極的に写真や動画撮影をしましょう。

ウチのおばあちゃんも凄くにこやかな表情で写真を撮ることが出来ました。

米寿のプレゼントにはメッセージカードも忘れずに

米寿に限らず、プレゼントをあげるときにメッセージカードを付けることが一般的になってきました。

特に若い世代の人たちは、綺麗にラッピングされたプレゼントの他に、メッセージカードを準備して手書きの言葉を書き入れるようです。

長寿のお祝いでメッセージカードを書くときには、読む人のことを考えて、少し大きめの字で書いてあげるようにしましょう。

孫から貰ったメッセージカードは特別なようで、祝宴の後すぐにおばあちゃんの部屋に飾られました。

気になる米寿の祝宴費用は誰が払うの?

米寿の祝宴にかかる費用はパーティーを開催する人が支払います。

長寿のお祝いの場合、主役であるご本人(おじいちゃんやおばあちゃん)が率先して祝宴の準備をすることは少ないでしょう。

特に米寿など主役の年齢が高くなるほど、自分で祝宴を準備することが難しくなります。

多くの場合、普段近くで生活している家族が段取りすることになると思います。

この様な場合は、祝宴の段取りをした人が主催者となって、必要な費用を払うことになります。

ウチの場合も、私が主催者となったので、必要な費用は私が支払いました。

招待した来賓の皆さんから頂いたご祝儀は、そのままおばあちゃんに渡します。

だから主催者は祝宴の費用を持ち出しになってしまうのです。

でも、殆どの場合、主役のご本人から祝宴にかかった費用を貰えるでしょう。

ウチのおばあちゃんも、しっかりと祝宴の費用を出してくれました。

米寿の祝宴の準備の進め方と成功する段取り

米寿に限らず長寿のお祝いは節目とされる年齢ごとにあります。

平均寿命の延びとともに、高齢者と言われる年齢になっても元気なお年寄りが多くなってきましたが、さすがに米寿(八八歳)のお祝いになると気を遣うことも増えます。

先日催したウチのおばあちゃんの米寿のお祝いを思い返しながら、寿賀の準備に気を付けたいことや盛り上がった余興などをまとめます。

祝宴はリラックスした雰囲気を心がける

基本的に長寿のお祝いは近しい身内だけを招いて行う祝宴です。

結婚式のように、その場で初めて顔を合わせる人が居るわけでもありませんし、久しぶりに会う身内の飲み会のような打ち解けた感じを演出することが大切。

米寿のお祝いともなると主役も高齢ですし、ご招待するお客様もご高齢な方が多いことでしょう。

実際にウチのおばあちゃんの祝宴でも、おばあちゃんのご姉妹が集まってくれましたが、皆さんご高齢でした。

体力のことなどを勘案すると、堅苦しい宴席では来客の皆さんを疲れさせてしまうかもしれません。

少し砕けた雰囲気くらいが丁度良いと思います。

米寿の祝宴にはカメラとビデオを必ず用意する

結婚式にカメラやビデオを忘れる人はいないと思います。

米寿の祝宴も同じこと。

カメラやビデオはしっかりと準備しておきましょう。

最近はスマートフォンのカメラ機能も高性能になっているので、それなりに綺麗な写真を撮れます。

でも、米寿という人生の節目の日。主役のおじいちゃん、おばあちゃんにとってはハレの日です。

カメラもビデオもしっかりと準備しましょう。

また、三脚も用意して、会の様子をずっと映して置くと、後日楽しめますよ。

写真は全体の集合写真を撮影する時間を考慮しておきます。

ご高齢の方々は写真を撮る機会も少なく、年を取ったご姉妹や親戚と会う貴重な機会です。

参加してくれた方々の写真を忘れずに残して置きましょう。

米寿の祝宴の引き出物

引き出物というと結婚式で頂くお土産という印象ですが、米寿のような長寿を祝う祝宴でも引き出物を用意することがあります。

但し、結婚式のように大げさなお土産ではなくて、簡単な引き菓子程度のもので良いでしょう。

簡単とはいっても集まるお客様は皆、人生経験の豊富な方ばかりですから、あまり陳腐なものでは格好がつきません。

老舗と言われるお店の銘菓などを用意しておけば体裁は保てるでしょう。

私は「京都緑寿庵清水の金平糖」を用意しました。

金平糖は縁起の良いお菓子ということで、皇室の慶事ではボンボニエールに入れた金平糖が引き菓子として用いられるそうです。

出席してくれた方から「引き出物まで頂けるとは思わなかったわ。ありがとう。」と言われ、少しホッとしました。

テーブルに置くお花を事前に用意しておくと華やぎが増す

お祝い事ですから、お花があると場の雰囲気がグッと華やぎますし、写真の写りも良くなってインスタ映えします。

結婚式であれば式場でお花を用意してくれますが、米寿のような長寿の祝宴では、祝宴会場のお店でお花を用意してもらうことは難しいでしょう。

だから、当日主役のテーブルの上に飾れるように、事前にお花を用意しておくとよいと思います。

テーブルの大きさにもよりますが、大掛かりなお花は不要で、ちょっとしたアレンジメントで大丈夫。

このお花があると、その空間が「はんなり」として素敵な雰囲気になります。

祝宴当日の写真はアルバムにして招待客に送付する

米寿祝い当日はたくさん写真を撮ります。

写真係りが撮影した写真以外にも、参加してくれた方々がスマートフォンで撮影した写真などもあるので、枚数はかなり多くなるでしょう。

これらの写真を集めて、後日フォトブックなどにまとめて、招待客に送付します。

若い人になら、デジタルデータで送ることが出来ますが、高齢者の方々はネットで閲覧なんて出来ません。

こういった記念はしっかりと形に残して置くことが大切かもしれませんね。

まとめ:米寿のお祝いは結婚式と同じような心構えで準備すること

米寿をはじめとした長寿のお祝いは、親戚が集まる食事会程度に軽く考えていました。

でも、実際に幹事として祝宴を取り仕切ると、準備しなければならないことがたくさんあって、ちょっとした結婚式と同じような大変さがありました。

今回の我が家の米寿祝いは参加するお客様も少なくて連絡事も簡単に済みましたが、招待する人数によってはしっかりと準備しないと大変なことになりそうです。

また、歩くのが困難とか、食べ物に注意が必要とか、お年寄り特有の問題への対処もあります。

あまりお気楽な考えでは準備が間に合わないように思います。

ただ、祝宴で孫に囲まれながらニコニコと写真に写るおばあちゃんの笑顔を見ると、米寿のお祝いを催して良かったなと感じます。

参加してくれた方々も喜んでくれて、久しぶりに会う親戚ともお話をする機会が出来ました。

主催者は何かと忙しく苦労もありますが、終わった後は達成感のようなものを感じられるはずです。

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