毎日たくさんの洗濯物が出る我が家では、洗濯機はとても大切な白物家電です。
洗濯ができない日が1日でもあれば、たちまち洗濯カゴから洗濯物が溢れ出して、脱衣所は足の踏み場もありません。
また、強烈な汗の臭いを放っている運動着は、すぐに洗濯をしないと臭いが染みついてしまいます。
白物家電の中で一番の働き者かもしれない洗濯機。
そんな頼れる洗濯機が、突然動かなくなってしまいました。
この話は、故障した洗濯機の応急修理に成功した記録です。
突然表示された「U4」エラー
洗濯機に洗濯物を放り込み、いつものように「スタート」ボタンを押したところ、ピーという警告音が鳴ったきり洗濯機が動きません。
購入してから既に10年は経過している我が家の洗濯機は、ここ最近ちょっと動作が不安定になったような、音がうるさくなったような、そこはかとない不調を感じていました。
そろそろ買い替えかなーと思っていた矢先に、無情なエラー表示と共に故障してしまったのです。
洗濯機の操作パネルを見ると「U4」というエラー表示がされています。
我が家の洗濯機は「SANYO ASW-70B」という既に生産終了したモデルなのですが、幸いなことに取扱説明書はメーカーのホームページ(全自動洗濯機 ASW-70B(W))からダウンロードできました。
早速説明書に目を通すとU4エラーに関する説明があり、「上ぶたが開いていませんか。」と書いてあります。
更に「上ぶたを閉める」と、とてもシンプルな対処法が一言だけ示されていました。
でも、目の前にある洗濯機の上ぶたは、確かにしっかりと閉じられているのです。
蓋を閉めたはずの洗濯機が動かない時の簡単な対処法
洗濯機脱水槽の蓋をロックする仕組みは装備することが義務とされている機能で、今ではどの洗濯機にもあるはずです。
安全に洗濯機を使うための機能なので、本来はありがたい機能なのですが、誤作動をすると洗濯機が動かなくなってしまいます。
例えば、洗濯機本体と蓋の間にゴミなどが付着していると、ほんの少しの隙間が出来て、これが誤作動の原因になったりします。
なので、洗濯機本体と蓋の接点は日ごろから念入りに掃除しておくことが大切。
特に、蓋のロックがかかる「溝」には、洗濯物から出た糸くずや細かい砂利が入り込みやすく、要注意です。
蓋エラーを起こしてしまった我が家の洗濯機も、洗濯機本体と蓋が接触するポイントに異物が無いか、注意深くチェックしました。
そして、念には念を入れて、綺麗に雑巾で拭いてみたりもしました。
ところが、残念なことに、掃除したくらいで解消される蓋ロックエラーではなかったのです。
洗濯機蓋センサーの修理
購入してから10年が経過している使用年数もさることながら、容赦なく洗濯物を出してくる子供たちのおかげで、我が家の洗濯機は常に高い稼働率をキープしています。
そのような背景もあり、本気で洗濯機の買い替えを覚悟したのですが、どうせ買い替えるならダメもとで洗濯機を修理してみようという気持ちになりました。
洗濯機を観察してみると、蓋自体や本体と蓋の接合部、更に蓋をロックする部品などに破損はありません。
となると、この故障の原因は、蓋の開閉を検知するセンサーの異常ではなかろうか?と推測できます。
そのセンサー付近に、ホコリなどが溜って誤作動をしているかもしれません。
洗濯機の奥にある、普段は手の届かない場所を掃除して蓋エラーが解消すれば、これはとてもラッキーなこと。
そんな気持ちで洗濯機の修理に取り掛かったのです。
洗濯機からコンセントと給水ホースを外す
電気製品である洗濯機には当然コンセントがあります。
まずはこのコンセントを外しますが、水を扱う家電の特徴として、漏電防止のためのアース線が配線されています。
多くの場合、アース線はドライバーが無いと外せないでしょう。
また、給水ホースもつけられていますが、これがとても固くて、外すためにはそれなりに力が必要です。
給水ホースを外すときに絶対に気を付けるべきことは、必ず水道栓を閉めるということ。
私は水道栓を開けたまま給水ホースを外してしまい、給水ホースを緩めた途端に「ブシュシュー」と音をたてながら、水が溢れ出てしまいました。
洗濯機の給水ホースを外すときは、必ず水道栓を閉めましょう!
給水ホースは水道栓を閉めていても、緩めるとホース内部に残っている水が流れてきます。
これが意外にたくさんの水が残っているので、作業の際には拭き取り用の雑巾が必須です。
洗濯機の移動のために洗濯槽から水を抜く
洗濯機を修理するには、狭い脱衣所の壁際に置いたままでは作業も捗りません。
まずは洗濯機を移動しなければならないのですが、洗濯機は大量の水を貯める家電です。
洗濯槽に水を貯めたままで洗濯機を移動することは無理。
不運なことに、我が家の洗濯機も満々と水を貯めた状態で、蓋ロックエラーを起こしてしまいました。
しかし水を抜くにも、蓋エラー状態の洗濯機は排水も出来ません。
仕方なく、洗濯槽の水を手作業で掬い取ることにします。
お風呂の洗面器を使って、地道にコツコツ排水をすると、何とか移動できる程度の重さになりました。
洗濯機の背面に手が届くようになり、操作パネルのネジ止め部に手が届くようになったのです。
洗濯機周辺はホコリだらけ!
洗濯機を移動してみると、その背面はホコリが溜まりまくっていました。
驚いたことに、ホコリだけでなく、洗濯機を設置していた床には黒カビが発生しているではありませんか!
家族が身につける衣服が置かれる場所は、こんなにも不衛生だったのです。
洗濯機の周辺は、衣服やタオルなどの繊維から出る「クズ」の集積所。
更に、常に水気に晒されている環境も特殊です。
洗濯機が故障してくれたおかげで、あらためて脱衣所の大掃除が出来たことは、もしかしたら幸運だったのかもしれません。
洗濯機蓋ロックセンサーを修理
蓋ロックセンサーの場所
蓋ロックセンサーは洗濯機のどこに設置されているか。
これは洗濯機のモデルごとの設計に依存することなので、その配置場所は洗濯機の機種ごとに違うはずです。
ただ、多くの場合、洗濯機蓋の可動部付近にあるでしょう。
我が家の洗濯機「SANYO ASW-70B」の場合、洗濯機後方の蓋可動部(ヒンジ部)付近にありました。
洗濯機操作パネルのカバーを外す
蓋ロックエラー表示がされ、動かなくなってしまった我が家の洗濯機。
蓋が閉まっていることを検知するセンサーを修理するために、操作パネルのカバーを外します。
パネルカバーはネジ止めされているのですが、何故かネジを緩めただけではカバーは外せません。
カバーには、ネジの他に「ツメ」があり、このツメで本体にがっちりと固定されているのです。
操作パネルカバーの脱着作業の最大の難関は、この「ツメ」への対処でしょう。
私も「ツメ」を外すのはとても苦労しました。
「ツメ」を外すコツは、決して力まかせに外そうとしないこと。
根気と観察力を駆使すれば、きっと外れます。
洗濯機の蓋ロックセンサーの接触不良を解消する
さて、多くの困難を乗り越え、やっと洗濯機の蓋ロックセンサーに辿り着きました。
実際に蓋ロックセンサーを目の当たりにすると、拍子抜けするほど単純な構造です。
それは、簡単なスイッチの原理で、2枚の銅板の接触を通電によって検知する原理のようでした。
洗濯機の蓋を閉めると、この銅板が接触する仕組みで、これによって蓋が閉まっていると判断するようです。
蓋ロックセンサーが露出した状態で、洗濯機の蓋を閉めると、確かに2枚の銅板が接触する様子が確認できました。
我が家の洗濯機が蓋をロック出来なかった原因は、このスイッチの接触不良によって蓋の開閉を正しく検出出来なかったことにあるのでしょう。
蓋ロックセンサー付近には、積年のホコリがたまっていて、いかにも接触不良を起こしそうな気配があります。
洗濯機内のホコリを清掃した後に、センサーの動作を確認しましたが、蓋ロックエラーは改善しませんでした。
接触不良の原因は洗濯機内部のホコリだけではなく、銅板自体の汚れも一因なのです。
センサーの銅板を清掃し、更に接触部分を紙やすりで軽くこすって通電を確保しました。
この対処で、正しく蓋ロックが機能するようになったのです。
簡単な動作確認をしたのちに、操作パネルカバーを取り付け、洗濯機を動かすとなんということでしょう!
見事に洗濯機は動き始めたではありませんか!!!
まとめ:蓋ロックエラーの原因はセンサーの劣化
今回の蓋ロックエラーは、洗濯機が蓋の開閉を検知できないことが原因でした。
洗濯機を買い替える覚悟で、DIYでの修理に挑戦しましたが、越えなければならい障害は多岐に渡ります。
また、製造後10年を経過する洗濯機は、蓋ロックセンサー以外にも、様々な部品が経年劣化を起こすことでしょう。
我が家の洗濯機も、「設計上の標準使用期間」を超えていました。
今回の応急処置で、緊急避難的にでも洗濯機を使えるようになったことは、家計を預かる主婦としては大変に助かります。
ただ、今回のようにDIYで修理できたのは、本当に偶然のこと。
洗濯機買い替えの大きなシグナルとして、洗濯機のお買得情報 に目を光らせるきっかけになりました。