私立大学の試験方式は「一般入試」の他に「特別入試」が実施されるケースがあります。
またセンター試験を利用した受験制度もあって、全ての仕組みを理解するには忍耐が必要です。
でも、受験のチャンスが多いのも最近の私立大学受験の特徴なので、受験の仕組みをしっかり把握すれば難関校への合格も夢ではなくなります。
親が率先して大学受験の仕組みを理解すれば、受験生の子供をサポートしてあげられるのです。
私の子供の大学受験を振り返りながら、親にも手伝えることをお伝えします。
大学受験の仕組みを簡単解説 私立大学の一般入試
ここでは私立大学の「一般入試」についてまとめます。
まずは私立大学の「一般入試」についての理解を深めましょう。
私立大学受験での一般的な受験科目
私立大学の受験科目は各大学の裁量に委ねられています。
だから私立大学ごとに受験科目が異なるのが普通です。
受験科目や選抜基準はその私立大学の歴史や特徴、設立の趣旨などを背景にした内容になることが良くあります。
ですので、希望する私立大学がはっきりしている場合は、受験する私立大学の出題する問題傾向や癖を把握することが合格へのカギとなります。
私立大学での受験科目は一般的には下記の科目で構成されることが多いです。
- 私立大学理系
- 英語、数学、理科の3教科
- 私立大学文系
- 英語、国語、地歴公民(または数学)の3教科
私立大学の独自入試方式:複数の受験方式
最近は独自の入試方式を実施する私立大学も増えていて、例えば下記のような入試方式があります。
- 同じ私立大学の同じ学部を複数の入試方式の中から選んで受験できる
- 多くの私立大学で実施されている方式です。
同じ大学の同じ学部を何回も受験するチャンスがあるので受験生にとってはありがたい方式だと言えるでしょう。
これらの受験方式を例えばA方式とかB方式、C方式と呼んだりするのですが、この呼称は各私立大学が独自に決めた呼び方なので、受験する大学によって違った呼び方となります。
受験方式の数が増えると当然その呼び名も増えて混乱しますので、受験生の親としてはしっかり整理して覚えておきたいところです。
各大学の受験方式については入学願書を取り寄せるとその中に募集要項があって、そこに詳しく記載されているはずです。 - 同じ私立大学の複数の学部を同時に受験できる
- 全学部入試、統一入試、地方入試などと呼ばれることが多い受験方式です。
同じ私立大学の複数の学部への入試を、同じ試験日に同じ問題で実施するという効率の良い受験方式です。
気になる受験料ですが併願する学部ごとに別個に必要となります。
試験は一度だけれども受験料金は出願する学部ごとに必要になるという、親にとっては何とも釈然としないような、そんな方式です。
ただこの方式の受験料は割引があることが多いので、しっかりと募集要項を確認して、無駄な受験料を収めないように気を引き締めましょう。
私立大学受験でのセンター試験の利用
私立大学の受験でもセンター試験を利用する入試方法が導入されていて、この方式も一般入試の範疇になります。
私立大学のセンター試験利用方法は大学によって異なっているのですが、殆どの私立大学では2次試験を実施せずにセンター試験の結果のみで合否判定しています。
何と言ってもセンター試験を受験すれば、何校もの私立大学に出願できるという利便性の良さが魅力です。
また国公立大学を第一志望としている受験生にとっては、国公立と私立の併願がしやすく便利な制度とも言えます。
希望する大学がはっきりと決まっていて、志望大学以外への進学は考えていないという場合を除いて、センター試験は様々なメリットがあるので受験チャンスを広げるという意味からも活用する価値のある方式と言えるでしょう。
更に、同じ私立大学の他の入試方式と併願できるというメリットもあるので、志望する大学の受験制度をしっかり理解して上手に活用すると何度も受験のチャンスを得られるということになります。
センター試験を私立大学の受験に活用できるという制度が難解で、なかなか理解できないのですが、センター試験と私立大学の入試方法の関連がわかると大学受験全体の仕組みもだいぶ見えてきます。
私立大学は受験日を選べる
私立大学では同一学部の試験を複数回おこなうので受験生が都合の良い日を選んで受験できます。
他の私立大学の受験日と調整できるということになります。
ほとんどのケースで複数の受験日で複数回受験できることになります。
大学受験のチャンスは何回もあるのです。
大学受験の仕組みを簡単解説 私立大学の特別入試
私立大学の特別入試には「推薦入試」と「AO入試」があります。
ここではそれぞれの特別入試方式についてまとめます。
私立大学の推薦入試
私立大学の推薦入試とは、高校での成績や活動内容をもとに高校からの推薦で出願できる入試方式です。
私立大学のほとんどの推薦入試は一般入試よりも早い時期に実施されます。
試験の科目は小論文や面接などで構成されるケースが多く、センター試験を含めた一般入試とは試験内容が大きく異なってしまいます。
当然推薦入試対策は一般入試用の試験対策とは違った勉強をしなければなりません。
ですので、推薦入試と一般入試の両方の受験を考えている場合は受験生の負担が増えるということにもなり、進路の方針を決める際には注意が必要です。
私立大学の推薦入試には「指定校推薦」「公募推薦」「自己推薦」という3つの形式があります。
- 指定校推薦
- 指定校推薦では私立大学から高校に対して生徒の推薦が依頼されます。
高校の推薦基準を満たして且つ高校から推薦された生徒のみが出願できる方式です。 - 公募推薦
- 私立大学から高校へ人数を指定せずに公募で生徒を募集する方式です。
高校が推薦する浪人生や併願を認める私立大学もあります。 - 自己推薦
- 受験生個人が自ら私立大学に推薦する制度です。
私立大学によって出願条件が多様という特徴があります。
AO入試と似ている制度と言えます。
私立大学のAO入試
AO入試とはアドミッション・オフィス(各大学の入試選抜の専門機関)で実施される入試のことです。
受験生の人柄や個性を含め総合的に評価して合否を判定するという特徴があります。
調査書の内容、特技、資格、文化スポーツ活動、ボランティア活動、意欲など多様な側面から受験生を評価する入試制度です。
面接やレポート課題の提出が課せられたり、自己アピールの姿勢が必要だったりと、通常の筆記で行われる入試とは趣が異なっており、それなりに対策が必要となる選抜方式です。
まとめ:チャンスが多い私立大学の受験
私立大学受験の仕組みをまとめてみましたが如何でしたか?とても複雑で簡単には理解できないと思います。
実際にお子さんの大学受験に直面すると、この大学受験制度の難しさに気後れしてしまうかもしれません。
私の場合は、子供の大学受験終盤になってやっと理解ができました。
でもこの大学受験の仕組みを熟知していると、大学受験を通しての戦略の立て方が大きく変わってきます。
受験勉強の進め方にも影響を及ぼすのでしっかりと把握しましょう。
また私立大学の受験制度は良くわからないことが多いので、あまりにも理解できないことは一人で悩まずに大学に直接電話で問い合わせましょう。
私も何回も電話で問い合わせをしましたが、どちらの大学も親切に教えてくれましたので心配は要りません。
理解できないことは悩まず直ぐに質問をする!
この姿勢で大学入試の仕組みをしっかりと理解して、大学受験を成功させましょう!