今の家は中古住宅です。
購入時に随分リフォームをしました。
お風呂もリフォームしました。
お風呂とかキッチンなどのいわゆる「水廻り」と言われる場所はリフォームにたくさんの予算が必要になる難所です。
我が家の場合もお風呂リフォームは難関でした。
ユニットバスの規格サイズに合わないお風呂場のリフォーム
リフォーム前の浴室はタイル張りの古いタイプのお風呂でした。
築年数が古いにもかかわらず綺麗に使われていたこともあって、「タイル張りのお風呂も雰囲気あるなー」なんて感じさせる風情あるお風呂だったのです。
これはリフォームしなくても良いんではなかろうか?と迷ったのですが、「冬場は猛烈に寒いですよ」というリフォーム会社の営業氏の口車に乗せられて最新ユニットバスにリフォームすることにしました。
リフォームとなれば最新のユニットバスに取り替えよう!ということで張り切ってお風呂メーカー各社のカタログを取り寄せ楽しく選んでいたのですが、リフォーム会社の営業氏から連絡が入ります。
家の図面を確認したところ、どうしてもずらせない「柱」がお風呂場にあるためその部分を考慮するとお風呂の寸法を小さくしなければならないというのです。
ユニットバスというのは規格化されていて、どのメーカーも寸法がほとんど同じです。
洋服で例えるとS、M、Lサイズのようにある程度大きさが定められているのです。
我が家のお風呂場の場合、柱の位置が悪いので希望のお風呂サイズは設置できませんということでした。
つまり一つサイズを小さくする必要があるということです。
サイズを1段階小さくするって簡単に言いますけど、想像以上に狭くなります。
しかもお風呂が小さくなって洗面所が広くなるわけでもなく、ただのデッドスペースに成り下がって壁の裏の日の当たらない空間になってしまうということなんです。
これは痛い仕様変更です。
どちらのお宅も限られたスペースをギリギリまで使い切って間取りを設計していると思いますが当然我が家もホンの僅かな空間も無駄にせず使い切っています。
そんな涙ぐましい努力が水泡に帰すかのような非情な通告がリフォーム会社の営業氏から告げられたのです。
引越し前に住んでいたマンションのお風呂は小さいお風呂で足を伸ばして浴槽に浸かることは出来ませんでした。
大きなお風呂で足を伸ばし一日の疲れを癒す。
描いていた新居でのお風呂タイムが儚くも消え去ろうとしています。
家族一同ガッカリ、どよーんです。
サイズを選べるユニットバスがあった
そんな失意の日々を送ること数日。
子供の同級生のお父さんと話す機会がありました。
そのお父さんは職人さんで毎日あちこちの現場を忙しく働いています。
その職人パパに我が家のお風呂リフォームの話をしたところ思わぬ情報を得ることが出来たのです!
それは何と、お風呂サイズを特別注文できるオーダーユニットバスがあるというお話でした。
しかも価格もリーズナブルで十分に予算の範囲内です。
教えて貰ったお風呂は最近テレビでコマーシャルしている「Takara standard ぴったりサイズシステムバス」です。
今でこそ「もったいないゾーン」などとテレビコマーシャルしていますが我が家がお風呂リフォームをしていた頃は全く情報がありませんでした。
そもそも「Takara standard」というメーカーは選択肢にすらなかったのです。
この新情報を引っ提げて、意気揚々とリフォーム会社の営業氏に連絡をしました。
リフォーム会社によって得意なユニットバスメーカーがある
タカラのぴったりサイズシステムバスなら「柱」の影響を最小限に抑えて広いお風呂空間を手に入れられる!
リフォーム会社営業氏にこの話を伝えたのですが「あぁそんな商品があるんですねぇ・・・」と反応はイマイチ薄いものでした。
何やら歯切れ悪くブツブツと呟いています。
よくよく話を聞くとどうやら営業氏のリフォーム会社では取り扱い実績がない商品だそうで、しかも会社として「Takara standard」との付き合いも無いということでした。
そりゃ躊躇もするわなぁ。。。
などと一定の理解も示しつつ、しかし我が家のお風呂スペース確保のために妥協せず、腰の重い営業氏に働いてもらいました。
実際にリフォーム会社と付き合ってみてわかったことなんですが、どちらのリフォーム屋さんも得意なメーカーとか商品(建築資材)があって、やっぱり初めて取り扱う商品や建材メーカーというのはノウハウが無いみたいなんです。
その経験値の蓄積は営業さんの「見積り精度」とか「現場レベルでの施工の段取り」とか「部材の発注」とか様々なプロセスに影響します。
リフォーム会社さんが初めて取り扱う製品を半ば無理やりにお願いしたことで、後に様々なトラブルが発生することになってしまいました。
タカラのショールームで「ぴったりバス」を見学した
「Takara standard」の「ぴったりサイズシステムバス」を選定する際にメーカーのショールームに出向いて実際の商品を確認しました。
これまでに「TOTO」とか「LIXIL(リクシル)」などのユニットバスを見ていたので目は肥えています。
そんな状態でTakara standardのユニットバスを拝見するとですね・・・。
どーもイマイチな冴えない印象なんですよこれが・・・。
「TOTO」はお値段も凄くお高いですけど垢抜けしたデザインで都会的に洗練された空気感が溢れています。お値段高いですけど。
「LIXIL(リクシル)」も「TOTO」ほどでは無いにせよセンスある商品です。
しかし「Takara standard」・・・・
どーした「Takara standard」・・・・・
そのボクトツとした純朴な感じは何なの?
あどけなさすら感じるフィーリングはどういうことなの?
まぁーそんな感じのデザインです。
お風呂のリフォームを検討している方は絶対にメーカーのショールームに出向いて実機を確認することをおすすめします。
各社似たようなデザインや性能ですけど、微妙なテイストの違いを感じることが出来ます。
「TOTO」や「LIXIL(リクシル)」などの商品を中心に検討していた我が家にとって「Takara standard」のそれは些かショックではありました。
使ってみると意外にいい感じだったホーローバス
ショールームではTakara standardの担当者さんが丁寧な説明をしてくれます。
「正直なところ「TOTO」とか「LIXIL(リクシル)」の製品の方がかっこいいんだけど」と他メーカーと比較した感想をぶつけてみました。
するとデザインに関する制約は「ホーロー」に原因があるというではありませんか。
どうやら「ホーロー」はその特殊な素材ゆえに色や形に大きな制限があり、その結果としてオシャレ感に欠けてしまうらしいです。
しかしデザイン性を捨ててまでのメリットが「ホーロー」にあるんだろうか?と素人は感じてしまいますよね。
我が家も「ホーロー」ってそんなに凄いのかよとその機能性には懐疑的でした。
しかしお風呂をリフォームして5年が過ぎた今、ホーローって良いなと感じます。
汚れが付着しづらいというのはやや誇張しています。
ホーローでも汚れます。
でも清掃は凄く楽。
汚れが落ちやすい。
そして、光沢が変わらないのがいいですね。
お風呂を掃除して壁まで清掃した時の輝きはリフォームした5年前と同じ輝きを放っています。
また意外に便利なのが「磁石がつく」ということです。
「ホーロー」って磁石がくっつくんですが、お風呂で磁石が使えると壁に小物入れをくっつけられて便利なんです。
これでデザインが良ければ最強なんだけどなぁーという商品です。
お風呂リフォームで遭遇したトラブル
ユニットバス浴槽のオプションを発注ミス
さてTakara Standardのショールームで入念に説明を聞き実際の商品を確認し、いよいよ商品を決めたのですが、我が家の場合あるオプションを追加することにしました。
それは浴槽の湯温低下を防止する「高断熱浴槽仕様」というオプションです。
我が家のガスは「プロパンガス」なのですがプロパンガスは都市ガスに比べて料金が高いです。
なので「高断熱浴槽仕様」はお風呂の沸かし直しコストを少しでも低減させるために選んだオプションです。
このオプションは車で言うところのメーカーオプションのようなもので、発注時にオプション指定をして工場での製造時に追加されるオプションです。
つまり発注時にミスをすると作り直しになってしまう後戻りのできないオプションなんです。
製品の型番や色などと共にオプションについてもリフォーム会社の営業氏に伝え、やっとお風呂リフォームも一段落だと安心していたところに営業氏から連絡が入ります。
「実はちょっとご相談が。。。。。」
歯切れ悪いですよ。こういう時は大抵悪い知らせです。
もう悪い予感しかしません。
どんな「ご相談」かとビクビクしながら話を聞くと何と!お風呂の発注を間違ったと言うじゃありませんかぁ!!!!
その間違いというのが「高断熱浴槽仕様」オプションを付け忘れたという発注ミスです。
サイズや色は間違っていないので、「高断熱浴槽仕様」オプションを諦めて貰えませんでしょうかというご相談でした。
「おい君ぃー!何してくれてんのぉー!」
私が心の中で絶叫したことは言うまでもありません。
営業氏の話では「100%こちらのミスです」ということでしたが、ここでふと思い出したことがあります。
それは営業氏にとって初めて取り扱うメーカーということです。
推測ですが恐らく発注手続きとか商品型番とか組合せ出来るオプションとか不慣れだったんでしょう。
リフォーム会社が渋る製品を無理強いするとこんな影響が出てしまうんだなといい勉強になりました。
申し訳なさそうに平謝りする営業氏を見ていると「高断熱浴槽仕様」は諦めるか、という気持ちにもなってしまいます。
半ば諦めながら、
「高断熱浴槽をやめるとガス料金への影響はどの程度あるんでしょうかねぇ。その内容次第では諦めるのも吝かではないですよ。。。」
と独り言のように言ったところで営業氏が意を決したように
「この件はこちらで全責任を負わせて頂きます!」
と言うではありませんか。
何が彼を突き動かしたのか解りませんが、妙に男気を感じさせる凄まじく潔い口ぶりに呆気にとられてしまいました。
リフォーム会社にとっては大きな損失になったでしょうから営業氏は上司に凄く怒られたと思いますよ。
お風呂リフォームの工期に影響するトラブル
浴槽発注ミスの件はお風呂のみならずその他のリフォームにも微妙な影響を与えることになります。
一番の影響はスケジュールでした。
お風呂は再発注となったのでお風呂リフォームのスケジュールはそのまま後ろにずれます。
我が家の場合、転居までのスケジュールには余裕があったので事無きを得ましたが、これ引越し前の住居の退去日が決まっていたら大変なことになってましたよ。
リフォーム会社にとって不慣れなお風呂を選定したことで現場にも微妙な意識のずれが生じます。
それはお風呂を設置するスケジュールに関する意識の違いでした。
現場を任されている監督さんが作業スケジュールを管理しているのですが、お風呂のリフォームというか設置にかかる日程の見積りが職人さんと現場監督さんの間で異なっていたのです。
Takara Standardさんからやってきたお風呂職人さんと現場監督さんの話を聞くと設置にかかる日数が現場監督さんの見積りより多いのです。
現場サイドで上手いこと調整してくれたようですが、職人さんを急がせて雑な仕事になるのも嫌なのでそこは監督さんに働き掛けてスケジュールは遅れてもいいですよと伝えました。
リフォーム職人さんたちのガンバリ
すったもんだのお風呂リフォームでしたが良かったこともあります。
お風呂の再発注でスケジュールが伸びることになったのですが、その間古いお風呂を取り壊した空間は家の構造が剥き出しになっています。
普段なかなかお目にかかれない光景を現場監督さんと見ていた時のこと、「あぁここはちょっと再塗装した方が良いですねぇ」と監督さんが家の躯体部分を指差します。
監督さんの軽自動車から何やら塗料を持ってきたかと思ったらテキパキと塗装を始めました。
本当は現場監督という立場の人は作業をしてはいけないらしいのですが、内緒ですよと言いながら綺麗に塗り直してくれたのです。
それがなかなか上手い。
「上手ですねぇ。何でもできるんですねぇ」と感心していると「へへへ」と照れ笑いしていたのが印象に残っています。
そんな時間を過ごせたのも発注ミスがあったからこそかもしれません。
大きいお風呂はランニングコストが高い
多くの困難があったお風呂リフォームも無事終了し、新しいお風呂で毎日の入浴を楽しむことが出来ています。
古いお風呂にあった段差も解消されましたし、高断熱浴槽の保温機能もまずまずです。
冬場はやっぱり寒いですが、浴室全体の保温性能もまぁ満足です。
浴槽が広くなって足を伸ばして浸かるお風呂は気持ちのいいことこの上ない。
しかし、しかしですよ。
マンションでは経験できなかった広いお風呂を手に入れて、あらためて判ったことがあります。
それは、水道光熱費が跳ね上がるということ。
そりゃ浴槽が大きくなれば使用する水の量も増えますよね。
水の量が増えるということは沸かすお湯も増えるということなんで、当然ガス代も増えます。
マンションの小さなお風呂では家族が立て続けに入浴していましたが、なぜかお風呂が大きくなると一人あたりのお風呂時間が長くなります。
そんなこんなでお風呂にかかるコストが増える結果となってしまったのです。
居心地の良すぎるお風呂空間というのも考え物。
ランニングコストという面ではお風呂は小さい方がよろしい!
お風呂リフォームをする前に知っておきたいこと
お風呂のリフォームは滅多に経験することが無いと思います。
リフォーム費用も高額になりますし、間違いのないお風呂リフォームを計画しなければなりません。
最後にお風呂のリフォームをする前に知っておきたいことをまとめてみました。
- リフォーム会社が取り扱いできるユニットバスメーカーを選ぶのが無難
- お風呂が広くなると水道代とガス代が高くなる
- 毎日使うお風呂はデザインよりも掃除のしやすさで選ぶと後々のお掃除が楽