10月も半ばを過ぎるとそろそろ大掃除が気になってきますね。
年末に向けて何かと慌ただしくなりますが、掃除系の仕事は今から少しずつ片付けないと師走は本当に大変な目に遭ってしまいます。
特に水回りの掃除はまだ気温が冷え込まない秋口に手を付けておくべきポイントでしょう。
お風呂やキッチンなど大物級の場所は気候が良いうちに掃除を済ませておくと12月になってからも気持ち的に余裕が生まれ、精神衛生上も好ましいはずです。
数ある清掃難所の中でもキッチンの換気扇の掃除は出来れば見なかったことにしていたい、見て見ぬふりをしたい、夜寝ているうちに小人さんが出てきてきっと綺麗にしてくれる。
そんな風に現実逃避してしまうのは私だけではないはずです。
毎年のように繰り返される換気扇にこびり付いた油汚れとの激闘の末、遂に会得した「キッチン換気扇清掃のコツ!」のまとめです。
キッチン換気扇の種類と形式
キッチンの換気扇には「プロペラファン(一般換気扇)」と「シッコロファン」という2種類が使われることが多いのですが一般的に戸建では「プロペラファン」が使われ、マンションなどの集合住宅では「シッコロファン」が採用される傾向にあるようです。
この「ファンの種別」に「フード」が組み合わさって全体としてキッチン換気扇が構成されています。
我が家のキッチン換気扇は「プロペラファン(一般換気扇)」型の換気扇です。
プロペラファン型という言い方をするとなじみが薄いですが、要するに昭和的な古風な昔よく見た換気扇です。
この換気扇にブーツ型のフードが組み合わされています。
一言でいえばどこにでもある良く見るキッチン換気扇なのです。
ブーツ型レンジフードの清掃
通常、ブーツ型のレンジフードはメンテナンスを考慮して外れる「はず」です。
しかし我が家の古いフードは外れません。固定されています。
それはさながら天井から換気扇フードが生えているかのような、潔い一体感を感じるキッチン換気扇です。
この様な古いタイプの分解できないブーツ型レンジフードの掃除はブーツ型をしたフードの中に潜り込んで油汚れを落とさなければなりません。
これはもう本当に苦行中の苦行です。
あの油汚れの真っただ中に頭を突っ込んで、ベッタベタに汚れた油を落としていくのですから生半可な覚悟では出来ません。
覗き込んだレンジフードの中には「あなたの知らない世界」が広がっています。
人生で初めてお目にかかるような昆虫が油汚れに沈んでいたりして、それはもう立ち入り注意の危険スポットなのです。
更にレンジフード付近は極端に足場が悪い。
換気扇の真下にはガスレンジが鎮座していますが、このガスレンジのトッププレートはガラスで出来ているので下手に体重をかけると割れます。
ガスレンジを避けながら中腰でブーツ型のレンジフードに上半身を突っ込んでいる姿はスクワットの一番キツイ体勢と同じ。
太腿プルプルしますし、この姿勢を5分以上続けるのはそれはもう体育会系最上級のトレーニングに匹敵します。
こんな無理な姿勢で換気扇にこびり付く油汚れとの激闘を続けられる訳もありません。
キッチン換気扇清掃に欠かせない足場
丁寧、確実な現場作業を成し遂げるためには、まず足場を固めることが肝要。
キッチン換気扇の掃除を成功させるためのはじめの一歩は、腰を据えてキッチン換気扇を掃除するために欠かせない「足場」を作ることにあるのです。
この足場があると無いとでは作業の効率は雲泥の差。
辛く苦しい中腰スクワットからも解放されること請け合いです。
まずは足場の全体像を見て頂きましょう。
写真のように2本の脚立に足場板を渡します。専門的には「脚立足場」というらしい。
この足場に腰掛けながらレンジフードの中を掃除すると驚くほど楽に作業できます。
この方法、実はクロス職人(壁紙屋さん)さんに教えて頂いた方法です。
我が家がリフォームをしている頃、苦しそうに換気扇を掃除していた私の姿を見兼ねたクロス職人さんがアドバイスしてくれたのです。
この「脚立足場」に必要な道具は以下の通り。
- 脚立2本
- 足場板
ホームセンターなどで「足場台」や「作業台」といった製品も販売されているのでそちらを利用してもいいと思います。
換気扇掃除に使う洗剤はぜったいに油汚れ用洗剤
足場が固まれば次はいよいよ換気扇掃除の始まりです。
唐揚げ、トンカツ大好き家族の我が家では換気扇の油汚れも壮絶です。
固着してしまった換気扇の油汚れを落とすコツは乱暴に力任せにこすり落とすのではなくて、優しく丁寧に撫でるような掃除を心がけます。
油汚れは「落とす」のではなくて「剥がす」というイメージで掃除をするのです。
まず最初に油汚れに洗剤を吹きつけ、油が溶けるのをじっと待ちます。
コーヒーでも飲みながらゆっくりと待ちます。
この時、使用する洗剤の選択はこの後の換気扇掃除の成否を左右するほど重要なことなのでくれぐれも間違いの無いようにご注意ください。
換気扇掃除に使用する洗剤は「油汚れ用」の洗剤です。ここ重要。
製品名で言うと「マジックリン」です。
家庭用洗剤は種類が多いので、ついついお安いセール品を中心に選んでしまいがちですが用途によってその効果は全く異なります。
「マジックリン」に似た洗剤に「マイペット」という製品がありますが、この両者はぜんぜん違います。
油汚れにはマジックリン!これポイントですよ。
「マジックリン」と「マイペット」の違いはその成分表を見ればわかります。
「マジックリン」の液性にはアルカリ性と記述があります。
花王株式会社 マジックリン ハンディスプレー [本体]
「マイペット」の液性はというと弱アルカリ性になっているではありませんか。
花王株式会社 かんたんマイペット [本体]
同じアルカリ性でも「弱」があると無いとじゃ大違い!
これはもう両者をつかって換気扇の掃除をしてみれば速攻で解るくらいの差があります。
但しこのマジックリンにも欠点があります。
それはお値段がお高いということ。
マイペットの1.5倍くらいします。
そして手が荒れます。
素手でマジックリンを使うようなことをしてはいけません。手がピリピリするくらい激しく荒れます。
マジックリンを使う時は必ずゴム手袋を着用しましょう。
油汚れにマジックリンを吹き付けるときも安易に作業してはいけません。
まずマジックリンが目に入らないようにゴーグルをします。
ゴーグルと言っても100円ショップで販売されている花粉症対策メガネで十分です。
そしてマスク。マスク大切。
レンジフードに潜り込んで油汚れを掃除している時、人は知らず知らずのうちに口をポカーンと開けています。
このポカーンと開いた口に、マジックリンで溶かされた油汚れが落ちてしまった場面を想像してみてください。
マスクが必要な理由、ご理解頂けましたでしょうか?
同じ理由で頭にはタオルを巻き、油が落ちてきてもパニックにならないよう準備をします。
換気扇掃除のための装いは相当な重装備になってしまい、夏場の作業は本当に厳しくなるので、春先や秋口が最適の季節と言えます。
換気扇の油汚れは擦らずに拭き取るべし!
さて、マジックリンが浸透して油が溶けはじめるとレンジフードの壁をタラーリタラーリと落ち始めてきます。
この汚れはキッチンペーパーで拭き取りましょう。
そしてキッチンペーパーはどんどん捨てる!
キッチンペーパーを惜しんではいけません!
ドンドン使ってどんどん捨てる!
モッタイナイと同じキッチンペーパーをいつまでも使っていると油汚れを拡散してしまっていつまでたっても換気扇掃除が終わりません。
テッィシュやトイレットペーパーでは強度が足りず、油をふき取っている時に破けてしまうので、油汚れの拭き取りにはキッチンペーパーが最適。
スポンジやたわしは使いません。
スチールたわしなど以ての外。
スチールたわしを使うと部材(ステンレスなど)にキズを付けてしまって、せっかく鏡面仕上げになっているレンジフードが台無しになってしまうからです。
そんな苦労の末、綺麗に磨き上げられたキッチン換気扇はこちら。
ピカピカですねぇ。
これで年末年始のお料理も楽しくなるってもんです。
キッチン換気扇掃除に必要な道具まとめ
- 脚立足場(脚立2本と足場板)
- 油汚れ用洗剤(マジックリン)
- キッチンペーパー
- 花粉症用ゴーグル
- マスク
- 頭用タオル