大型化した台風や大きな震災など自然災害が頻発していますが、このような災害では火災が発生することが少なくありません。
ひとたび火事に勢いが付いてしまうとその消火は容易ではなく、ましてや災害時の消火活動はより困難になると聞きました。
災害時の非常持ち出し袋や食料品の備蓄などには関心が集まりますが、消火器が注目されることはあまりありません。
火災発生時の初期消火に大きな役割を果たす家庭用消火器をじっくり見直してみました。
一般家庭に消火器を設置する義務はあるのか?
一般の住宅には消火器を設置する義務はありません。
消火器の設置が義務付けられている建物は法律で定められていますが、一般住宅への設置義務はないのです。
一般家庭には消火器の設置義務がないにもかかわらず、消火器の訪問販売などで強引な契約を取り付ける一部の悪徳業者がいるので注意が必要です。
家庭用に設置できる消火器の種類「住宅用」と「業務用」
消火器には「住宅用消火器」と「業務用消火器」があります。
一般家庭に設置するのはどちらの消火器でも構いません。
しかし消火器の設置義務がある建物に「住宅用消火器」を置いても消火器とは認められずに法令違反になる可能性もあります。
「住宅用消火器」も「業務用消火器」もホームセンターなどで購入できます。
家庭用に消火器を購入する場合はどちらのタイプを購入しても大丈夫です。
住宅用消火器 | 業務用消火器 | |
---|---|---|
一般住居への設置 | 可能 | 可能 |
家庭用におすすめの仕組みは「蓄圧式消火器」
一般的な消火器の仕組みは「加圧式」と「蓄圧式」に大別されますが、2013年以降加圧式消火器の製造は縮小されています。
各消火器メーカーは加圧式消火器から蓄圧式消火器へ生産をシフトしているのです。
今ホームセンターなどで販売されている消火器の大半は「蓄圧式消火器」のはずですが、在庫処分などで「加圧式消火器」が販売されている場合もあります。
加圧式消火器の製造が縮小された理由は蓄圧式消火器の方が安全性が高いからです。
安全性の違いはそれぞれの消火器タイプの動作原理によるものですが、「加圧式消火器」は消火器自体が破裂して大きな事故に繋がる危険性があります。
また消火器としての信頼性や点検のしやすさも蓄圧式の方が優れていて、家庭用の消火器として設置するには「蓄圧式消火器」が推奨されています。
蓄圧式消火器 | 加圧式消火器 | |
---|---|---|
製造状況 | 今後中核となる | 製造を縮小 |
安全性 | 高い | 破裂の危険性あり |
操作性 | 小さな力で操作できる | レバーを握るのに力が必要 |
家庭用消火器の耐用年数(使用期限)
消火器には使用期限があり、消火器本体に明示されています。
使用期限が切れた消火器は消火能力が著しく劣っている可能性があります。
特に「加圧式消火器」の場合、経年劣化によって消火器本体が痛んでいると破裂のリスクが高まりますので速やかに交換しましょう。
家庭用におすすめの消火器の選び方
では家庭用の消火器とはどのような消火器なのでしょうか?
一般住宅には消火器の設置義務はありませんが、万が一のために消火器は準備しておくべきです。
購入する消火器は「住宅用消火器」「業務用消火器」どちらでも構わないのですが「住宅用消火器」の方が重量が軽かったり小型化されていたりして取り扱いが楽です。
キッチンで日常的に火を扱うママが使うのにちょうどよいサイズの消火器が家庭用消火器です。
火が燃え広がる光景を目の当たりにして動揺することを考えるとママの近くには操作性の高い消火器を用意すべきでしょう。
また「業務用消火器」は「住宅用消火器」に比べて消火能力や使用範囲が優れているので、合わせて準備しておくと更に安心できます。
操作性に優れた「住宅用消火器」と消火能力に優れた「業務用消火器」を適材適所で使いこなし、いざという時のために万全の準備を心がけておけば安心です。
消火器の動作方式は「蓄圧式」を選択しましょう。
既に「加圧式」の消火器の販売は少なくなっていますが在庫品などが特価品として販売されている可能性があります。
新しく消火器を購入するあるいは今後買い替える際には「蓄圧式消火器」にすべきです。
まとめ:家庭の防災対策にキッチンでも使える家庭用消火器の選び方
- 一般住宅に消火器設置の義務はない
- しかし万が一に備えて消火器は用意した方が安心
- 購入する消火器は「住宅用消火器」「業務用消火器」どちらでも良いが女性でも使いやすい「住宅用消火器」が無難
- 消火器の動作方式は「蓄圧式」を選ぶこと