2015年の夏は暑いです。
日本各地で連続猛暑日の記録が更新されています。
夏が来る前はエルニーニョ現象の影響で冷夏になると予報されていたのに、梅雨が明けてみれば連日の猛烈にバテバテの方も多いことでしょう。
室内にいても熱中症になってしまうような猛暑が続き、暑さ対策をエアコンだけに頼るのも心もとなく思い、更に電気代も気になり始めてドライミストを試してみました。
気象庁によると猛暑日とは最高気温が摂氏35度以上になる日のことだそうです。
35度という高温になると、これはもう本気で熱中症対策をしなければならない危険水域で、息苦しさを感じるような気温です。
日中はエアコンをフル稼働して過ごすことも多くなりますが、エアコンの風に一日中あたると疲れるというか怠くなるし、なんとなく体調が優れない鬱陶しさを感じる方もいるのではないでしょうか。
お年寄りはエアコンを嫌う方も多く、ただでさえ熱中症に気を付けてほしいのにエアコンは使いたくないなんて言われてしまうと本当に困りますね。
我が家にもエアコンの冷風が苦手という家族がいて、何とか扇風機だけで乗り切ろうと我慢の日々を過ごしていたのですが、いよいよ根性も限界を迎え暑さ対策に本腰を入れて取り掛かりました。
その暑さ対策の秘策が「ドライミスト」です。
ドライミストとは
ミストシャワーとも呼ばれるこの方法は「霧」を噴霧することで気温を低下させる手法で、原理は霧吹きで噴き出した細かい霧が蒸発するときに周辺の熱を奪う気化熱を利用して温度を下げるということらしいです。
本物のドライミストは大掛かりな装置が必要で、設置価格も高価になってしまい一般家庭で導入するには無理があるのですが、家庭用のドライミストも販売されていてこちらの製品は無理なく購入できる価格です。
毎年夏になるとホームセンターのホース売り場や水栓・給水部品コーナーで販売されていて、実演販売のように実際に稼働させている店舗もあると思います。
この夏、いよいよ我が家でも家庭用ドライミストを試してみました。
ドライミストについて色々調べた記録
ドライミストの効果について調べた結果、気温を下げる効果は2度から3度程度。
エネルギーの消費量はエアコンに比べると1/20程度らしく、主にヒートアイランド対策の一環として研究されている分野ということがわかりました。
では、家庭用ドライミストと業務用ドライミストの違いはどこにあるのでしょうか?
それは噴霧される霧の粒の大きさにあって、業務用のドライミストは粒が小さく且つ粒の大きさが一定していることでドライ感が増すのだそうです。
家庭用ドライミストの粒度が粗くなるのは、霧を噴霧する際の圧力の低さが原因で、なぜ圧力が低いかというと水道圧のみで霧を発生させるからです。
ということは、家庭用ドライミストは水道以外に電気を使用しないので、ランニングコスト的には安く済むということですね。
参考資料
大都市圏整備:既成市街地における水と緑のネットワークの保全・再生・創出のための施策カタログ(案)[H20.3版] – 国土交通省
実際に購入した家庭用ドライミスト
家庭用ドライミスト製品として実際に販売されている商品は実は少ないのです。
販売価格や購入後のメンテナンスやメーカーの知名度など、こだわりたいことは多々あるものの、選択肢が限られているそんな中、我が家で購入した製品はタカギという散水用品メーカーが販売するガーデンクーラーという商品です。
設置について
これは簡単。
箱から出して、ホースを這わせて、水道の蛇口に繋いで、水を出すだけでした。
本気で設置する場合は、ホースを固定するためにドライバーとかネジとか必要でしょうが、ドライミストは夏しか使いませんし仮設でいいでしょう。
ということで、この夏は物干し竿に洗濯バサミでホースを固定する工法を採用しました。
ドライミストの効果
ドライミスト噴霧前後で気温の比較はしていませんので、感覚による感想ですが、ミストが噴き出すと確かに涼しいです。
噴出される霧はいわゆる霧吹きやハンドスプレーから出る霧とは異なり、粒が細かく、風が吹けば容易に飛散していきます。
その情景を見るだけで涼感を得られような、夏の日差しに霧が漂う光景は一見の価値があります。
こりゃいいなぁなんてご機嫌でいると、しばらくしてやはり霧の粒が大きいのか、濡れる感じに気付きます。
実際に1時間ほどドライミストを稼働していると、地面が濡れてきました。
コンクリートのたたきの上などは雨上がりのような濡れ具合です。
ただ、真夏の日差しでカラカラに乾燥した地面にはちょうど良い具合の散水です。
特に植物の葉には優しい給水効果があるのではないでしょうか?
気温を下げる効果もさることながら、庭木に対する散水効果という思わぬ副次的効果もあるようで、どちらかというとこの散水機能の方が使えるかもしれません。
家庭用ドライミストの欠点
窓を開けておくと窓辺が湿ります。
そのくらい粒が大きいのだと思いますが、高い場所に設置できれば湿りはある程度緩和されるかもしれません。
今回は約2メートルほどの高さに設置しました。
洗濯物の近くには設置出来ないでしょう。
洗濯物が湿ってしまいます。
ご近所が近い場合も若干遠慮がちになりそう。
家庭用ドライミストを使ってみて感想
使えるか使えないかと言えば、買って損は無いアイテムでしょう。
設置は楽だし、蛇口をひねるだけだし、庭の水やりはしなくて済むし、ランニングコストは安いし、デメリットは少ないですね。
窓を開けた状態での使用はちょっと困難ですが、窓を閉め切った状態でも南の窓辺などであれば窓ガラスを冷却する効果はありそうです。
多分エアコンとの併用が最も好ましい使い方なんでしょうね。
エアコン嫌いのお年寄りがいるご家庭では、お年寄りの部屋近辺に設置すると室温は随分下がると思います。
夕方にドライミストで霧を噴霧すれば打ち水のような効果が得られ、寝苦しさの改善に繋がりそうです。
柄杓での散水と異なり、全体に均一に且つ薄く広く水がまかれるので一か所だけ水たまりが出来てしまうということはありません。
真夏の炎天下で庭仕事をすることは稀でしょうが、例えば草刈りをしている時に頭上でミストが噴出していると、この清涼感は素晴らしいと思います。
この考え方の延長で、グランドでの運動時に熱中症対策としても効果が期待できそうです。
テントの周辺などにドライミストを設置しておけば、お茶当番の保護者の方などの負担は相当軽減されると思います。
家庭用ドライミストは水道さえあれば電源不要なので、グランドのような場所では設置しやすく運用も楽でしょう。
結論としては、家庭用ドライミストは完全ではないが何もないよりはずっと良い暑さ対策です。
製造販売元:タカギ
原産国 日本
セット内容:蛇口ニップル×1、コネクター×1、ホース×1、ホースエンド×1、ノズル×3、ナイロンクリップ×5、取り付けネジ×6、ホース内径4mm
サイズ:W265×D55×H275mm