机の天板は広いほど快適な作業空間を得られます。
でも、住宅事情の厳しさを考えると、無暗に広い机を買うことも出来ません。
机の長さには神経質になりますが、奥行きについてはルーズになりがち。
限られた部屋の広さを考えるあまり、奥行きが狭いスリムタイプの机を購入して後悔した経験を元に、最適な机の奥行きについてまとめます。
机の奥行きと高さには推奨値がある
意外なことに、机の奥行きと高さには、JISや業界団体によって「推奨値」が公表されています。
その推奨値とは、机の奥行きの推奨値が600mmから700mm。机の高さの推奨値が720mmとなっています。(参考:「安全・快適なデスクの選び方」)
これらの推奨値は、快適性や効率性を考慮して決められる値ですが、社会環境の変化によって、見直されることもあるそうです。
近年では、日本人の体格の変化によって机の高さが見直され、パソコンの液晶モニターの普及とともに、奥行きも見直されたという経緯があります。
奥行きが45センチのスリムタイプ机は実用的ではない
机を購入する際には、まずは部屋に納まることが第一の条件になります。
我が家でも、机を配置する予定の場所を採寸して、そのサイズに合う机を探しました。
家具店にある机は、オフィス用のデスクとは違い、デザイン性が高く、スタイリッシュな机が展示されています。
特に奥行きが45センチから50センチサイズのスリムタイプの机は、とてもおしゃれな外観で、自宅の部屋に置いた様子をイメージすると、都会風の雰囲気に思えてしまいます。
でも、奥行きが45センチしかない机は、実用には向きませんでした。
奥行きの狭い机の短所
机を選ぶときには、その長さに対しては注意深くなります。
なぜならば、長すぎる机は、部屋に納まらないからです。
でも、奥行きについては、無頓着になりがち。
実際に使ってみると、机にはある程度の奥行きが無いと、とても使いづらいものです。
足元が狭くて疲れる
多くの場合、机は壁際にピッタリと密着させて配置します。
奥行きの狭い机を壁につけると、椅子に座ったときに足が伸ばせないことに気付きます。
足元が窮屈でも、机の奥行きが45センチから50センチ程あれば、短時間の作業なら大きな問題になりません。
でも、1時間を超えるような作業になると、足が組めなかったり、伸ばせなかったりと、何かと足元の狭さがストレスになってきます。
奥行きの狭い机は足が伸ばせず、長時間の座り仕事には不向きな机なのです。
PCモニターとキーボードを並べると作業スペースがない
PCモニターに使う液晶ディスプレイは薄く、省スペースで配置出来るような印象があります。
でも、その液晶ディスプレイを支えるスタンド部分まで含めると、意外と広いスペースが必要になるのです。
奥行きの狭いスリムタイプの机に、液晶ディスプレイのスタンドとキーボードを配置してみると、作業スペースが殆ど確保出来ないことに気付きます。
また、狭いスペースに腕を置いてキーボードを打つと、肩が凝ってしまいます。
液晶ディスプレイのPCモニターは薄くて場所を取らないと思い込んでいますが、スタンド部分まで考慮した机の奥行きを考えないと、実際の使用には耐えられないのです。
奥行きの狭い机はPCモニターと目の距離が近い
机の奥行きが狭いと、PCモニターと目の距離が近くなります。
若い人はあまり気にならないかもしれませんが、年配者で老眼になってくると、近距離のPCモニターというのは不便なものです。
机の奥行きに余裕がないと、モニターを移動して微調整する余裕もありません。
奥行きの広い机の使い心地
広いほど快適な机ですが、奥行きが広すぎても微妙な感じになります。
以前の職場で、奥行きが100センチある机を使っていたことがあります。
広々とした作業空間に、パソコンのモニターを置いて、資料を広げて気持ちよく仕事が出来るのですが、結局、机の奥の方は無駄なスペースになってしまいました。
また、奥行きの深い机の場合、奥の方に手が届かず、不用意に資料などを置くと、意外に不便だったりします。
僅かな隙間も貴重な空間となる一般家庭では、規格外に深い奥行きを持つ机は現実的ではなさそうです。
最適な机の奥行きは60センチから70センチ
机の奥行きは、推奨値とされる60センチから70センチが最適なサイズだと言えます。(参考:「デスク 奥行き:60~70cm」)
机のサイズを選ぶときは、机の上に乗せるものを基準に決めることが多いでしょう。
でも、実際に座ったときの足元の自由度を考慮しないと、せっかく選んだ机が、ただの物置になってしまいかねません。
また、パソコンを置いて、PCデスクとして利用する際には、PCモニターの他に、キーボードを配置する奥行きが必要になります。
机として本来の機能を発揮する奥行きは、60センチ以上であれば、ひとまず安心できるサイズなのです。
パソコンデスクをレンタルする
広い場所を占有するパソコンデスクは安易に購入しずらい商品です。
購入後に部屋に入らないとか、想像以上に大きくて部屋が狭くなってしまったとか、選んだ商品が自室に合わなかったときの衝撃は甚大です。
最近、家具レンタルというサービスが注目されているそうです。
不要になれば返却や交換できるのがレンタル家具の強み。自室に合うPCデスクを試してみるという使い方も出来るかもしれません。