花瓶に生けた切り花を長持ちさせるコツは水と栄養の管理

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ガーデニング
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実は若い頃に華道を嗜んでおりました。ほんの少しですけど。

その時、先生からお花の扱いについて色々と教えて頂きました。

すっかり忘れていましたが、あらためて自分で調べ直してみると「なるほどぉー」と今だからこそ理解できることがたくさんあります。

切り花はちょっとしたことに気を付けると随分と長持ちします。

切り花を長持ちさせるポイントは「水」と「栄養」の管理ですよ。

切り花の寿命

切り花と言っても様々な種類があります。

花の種類によって寿命も異なるので、全ての花について同じような見方をするのは少々乱暴です。

例えば朝顔の花の寿命は1日です。

チューリップは4日から5日程度だと言われています。

バラやカーネーションはちょっと長めに楽しめますが、それでも7日ほどが花の寿命だそうです。

同じ花でも品種が異なると花の寿命も違ってきます。

どんなに注意して花を管理しても、寿命を大きく超えて切り花を長持ちさせることは出来ません。

長くお花を楽しむためには、花の種類にも気を配ってみる必要があります。

花瓶に生けた切り花が枯れる原因

切り花には寿命があります。

でも少しでも長くお花を楽しみたいですよね。

まだまだ寿命を迎える前の切り花が枯れてしまうのは原因があります。

花が枯れる原因を知れば花瓶に生けた切り花を長持ちさせるコツも分かってくるというもの。

花瓶の切り花が枯れる原因は様々ですが、一般家庭で気を付けたいことは切り花の水の管理と栄養の補給になります。

切り花にとって大切な水の管理

花瓶に生けられた切り花にとって「水」はとても重要な要素です。

切り花のお世話を間違ってしまうと花にとって大切な水分のバランスが崩れて、あっという間に枯れてしまいます。

花瓶にはしっかりと水が満たされているのに、切り花の水分状態が悪くなるっておかしな感じがしますよね。

でも間違った管理をすると、たとえ花瓶に水が入っていても切り花の水分バランスは悪化してしまうのです。

切り花が水を吸い上げやすくしてあげることを「水揚げ」と言いますが、水揚げを良好にすることは切り花の寿命に大きく影響するので気を付けたいポイントです。

切り花の水揚げ状態が悪くなる原因は次の2つです。

  • 花瓶の水を茎から吸えなくなってしまう
  • 葉から大量に水分が蒸発してしまう(蒸散過多)

切り花が花瓶の水を吸えなくなってしまう

切り花は茎から花瓶の水を吸い込みます。

でも茎が詰まっているとストローが詰まったようになって、水を吸い込めなくなってしまうのです。

茎が詰まる原因は「ばい菌」と「空気の混入」です。

切り花の茎には水を運ぶための細い管がありますが、その管にばい菌や空気が入り込むと詰まってしまい水が通れなくなります。

茎から水を吸い上げることが出来なくなった切り花は、脱水状態になって萎れてしまうのです。

葉から大量に水分が蒸発してしまう

切り花は常に葉から水分を蒸発させています。

この蒸発する水分が著しく増えてしまうと給水が間に合わなくなってしまって脱水症状になってしまいます。

葉からの水分の蒸発を「蒸散」と言いますが、適度な蒸散が行われるように環境を整えてあげることが切り花を長持ちさせるコツです。

切り花の大切な栄養は糖分

本来植物は光合成によってエネルギーを作っています。

でも切り花は葉が少なかったり、暗くて寒い場所で保管されたりと光合成をするための条件が整っていません。

その結果、切り花は栄養失調の状態になりがちなのです。

植物は花を咲かせるときにたくさんの栄養を必要とします。

また既に咲いている花を長持ちさせるためにもたくさんの栄養が必要です。

切り花にとって大切な栄養の成分は「糖分」なのです。

糖分が足りないと蕾を開花させられないし、花持ちも悪くなってしまうのです。

もしたくさんの蕾があるのに、開花しないという場合は切り花の栄養不足が原因かもしれません。

花瓶という環境にある切り花を長く咲かせる方法

切り花には寿命があって、その寿命以上に花を咲かせることは出来ません。

でも適切な管理をすれば、花瓶という特殊な環境に生けられた花でも長持ちさせることは出来ます。

ここでは花瓶に生けられた切り花を長持ちさせるための方法をまとめます。

花瓶の水は毎日交換する

花瓶の水を毎日交換して、常に清浄な環境を作りましょう。

水を交換することでばい菌の繁殖を防ぐことが出来ます。

水を替えるときには花瓶も綺麗に洗うこと。

切り花の茎がヌルヌルしていたら、その部分も綺麗に洗い流しましょう。

花瓶の汚れ具合はばい菌の繁殖に大きく影響します。

だから複雑なデザインの花瓶は、より丁寧に洗わなければなりません。

花瓶は単純な形のものが洗いやすくて良いのかもしれませんね。

一つの花瓶に生ける切り花の数を少なくする

切り花の数が増えるとばい菌が繁殖しやすくなります。

たくさんの切り花がある姿は壮観ですが、花を長持ちさせるためには少ない本数に抑えた方が花瓶の環境を整えやすいみたいです。

多くの切り花を楽しむときはばい菌の繁殖を許さないように、特に殺菌に気を配りましょう。

花瓶の水の量は多めにする

花瓶の水の量が多いとばい菌の繁殖が抑制されるそうです。

花瓶には常にたっぷりと水を満たしておきましょう。

茎の長さは短く、葉は少なめにする

切り花の茎は短いほど花を長持ちさせるそうです。

とは言え、あまりにも茎が短いとせっかくの切り花の見た目が悪くなってしまいますから、適当にバランスを考えながら調整しましょう。

また、葉が多いと水分の蒸発が増えてしまいます。

余分な葉はなるべく落とした方が良いでしょう。

私の経験では特に茎の下の部分、花瓶の水に浸かる部位に葉を残すと切り花の寿命が短くなるように感じます。

切り花を買ってきて花瓶に生けるときには、茎の下部分の葉は丁寧に落とすようにすると良いかもしれません。

でもあまり葉を落としすぎると切り花の姿が貧相になることもありますので、茎の長さ同様、適度なバランスに整えましょう。

水切りは毎日する

水切りとは切り花の茎を水の中に浸けて、茎の先端を水の中で切り落とすことです。

水切りは水交換のたびに行い、切り花の茎の部分を1cm前後くらいから切ります。

水切りすると切り口を新鮮に保たれて水揚げが良くなります。

また茎に混入した空気を排除する役割もあって、切り花の水揚げには大切な意味を持っています。

水切りはよく切れるハサミを使って、切り口を潰さないように一気にきることがコツです。

水切りに使うハサミはばい菌のついていない、綺麗に洗われたハサミを使いましょう。

枯れた花はすぐに捨てる

咲き終わった花からはエチレンというガスが出ます。

このエチレンは花にとって悪い影響を与えるガスで、花が枯れる原因でもあるのです。

咲き終わった花は早めに摘み取ってしまいましょう。

温度は高すぎず低すぎず

あまりに温度が高いと切り花が活性化してしまいます。

切り花が活性化すると水分が足りなくなったり、花が早くに咲き終わってしまったりします。

逆に温度が低いと蕾が開花しません。

花瓶を置く場所の温度の目安としては、最低気温が10度を下回らない程度と言われています。

例えば冬の時期の玄関などは温度がとても下がるので、花瓶に生けた切り花を飾るには向いていないと思います。

24時間明るい場所は避ける

切り花は光に当たっていると蒸散を行います。

あまりにも長時間、蒸散を続けると給水が間に合わずに水分状態を悪化させてしまうので、長時間光に当たるような環境は避けましょう。

夜はちゃんと電気を消してあげることも切り花にとっては大切なのです。

風は直接当てない

風は蒸散を促進する効果があって、切り花に風は好ましくありません。

特にエアコンからの送風は乾燥した風なので避けるようにしましょう。

糖分の補給とばい菌の繁殖を防ぐ活力剤を使う

切り花に糖分を与えると花持ちがとても良くなります。

但し、糖分だけを花瓶に加えると水の環境が悪化してばい菌が繁殖するので、必ず抗菌剤を併用します。

この糖分と抗菌剤を一緒にして作られたものが切り花の活力剤なのです。

花瓶に生けた切り花に良い環境を提供するためには、活力剤はとても大切な薬品になります。

砂糖だけを加えても切り花は長持ちしません。糖分と抗菌剤がバランスよく配合された活力剤を与えて切り花は長持ちするのです。

切り花を長持ちさせるおすすめの活力剤

キープフラワー
成分:糖類、有機酸、有機酸塩、防腐剤
全国のお花屋さんで販売している延命剤だから安心(※実際に我が家でもお花屋さんで花を買うと必ずこれをもらってます)
華の精
花びんのお水を腐らせないのはもちろん、切り花の鮮度保持には欠かせない糖の中でも吸収されるのが早いブドウ糖が最適濃度で配合されています。
イキイキ切花延命剤
成分:精製水、ブドウ糖、防腐剤
土にはえていた時と同じように養分を与え切花を健康に保ちます。
花びんの水にカビやバクテリアが繁殖するのを防止し切花の切口や導管が詰まるのを防ぎます。
ハイポネックス 水あげ名人
植物の栄養分である糖類、水の汚れや臭いを抑える抗菌剤、水の吸い上げを助ける界面活性剤などの働きで、切花の鮮度を長く保ちます。
クリザールフラワーフード
クリザールはオランダに本社を置く切り花栄養剤メーカーで約80年の歴史がある企業。あまり見かけないかもしれませんが根強い人気があります。
切り花延命剤 美咲
成分:糖類、無機イオン、抗菌剤
特徴:切り花が美しく咲き続ける栄養分(糖類)、花や葉の乾燥を防ぐ(無機イオン)、花瓶の水に微生物の繁殖を抑える(抗菌剤)を配合した切り花の延命剤。

まとめ:切り花を少しでも長持ちさせるコツは毎日の水の交換と活力剤

お誕生日や母の日など、お花をプレゼントしてもらう機会は多いですよね。

せっかくプレゼントしてもらったお花だから、出来るだけ長持ちさせて楽しみたいです。

花瓶に生けた切り花の管理は難しいと思い込んでいましたが、やるべきことは意外にシンプルで、毎日水を替えることと活力剤を与えることだけです。

花には元々の寿命があるので、その寿命に少しでも近づけられるような丁寧な管理をしてあげたいですね。

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