夏になってから急に柚子の元気がなくなってしまいました。
どんな感じに元気がないかというと、葉っぱに艶というか光沢が無いのです。
こんなことは初めての経験で、根元に肥料を撒いたり水やりを増やしたりと手を尽くしましたが一向に良くなりません。
そんな時に葉水をしてみたところ、柚子の葉がたちまち元気を取り戻したお話です。
夏に美しい柑橘系樹木の葉
柚子は春先から夏にかけて新梢(しんしょう)が伸びます。
新梢とは新しく伸びた枝のことで、要するに新品の葉が生えた枝だと考えて貰って問題ないです。
どの樹木も新梢は美しく、その葉は新緑の瑞々しさを放っていて大好きです。
柚子に限らず柑橘系の庭木は春から夏にかけて新梢を伸ばし、柑橘系独特の光沢を持ったピカピカの葉を楽しませてくれます。
ウチの庭には柚子の他に夏みかんと金柑があります。
同じ柑橘類である夏みかんと金柑の葉は例年通り美しい葉を夏らしく茂らせているので、柚子の葉だけがしなびていることを訝しんでいました。
柚子の葉に発生する病害虫
柚子の葉にありがちな問題といえば
黒点病、ミカンハダニ、カイガラムシ、ハモグリガ、アゲハチョウの幼虫
といったところが思い浮かびます。
それぞれの特徴を簡単にまとめると以下のようになります。
- 黒点病
- 葉や実に小さい黒い点が発生する。
- カイガラムシ
- 柑橘類につくカイガラムシは何種類かいる。小さくて目視は難しい。
- ハモグリガ
- 葉っぱに曲線の模様が現れる。
- ミカンハダニ
- 葉の緑色が抜けて色艶が悪くなる。
- アゲハチョウの幼虫
- アゲハチョウの幼虫による食害。
これらの症状をしおれてしまったウチの柚子の状態に照らし合わせてみますが、どうもぴったりと一致する感じではありません。
しいて言えばミカンハダニの被害による症状が似ていましたがちょっと違う感じですし、そもそも柚子にハダニが見つかりませんでした。
葉を洗う勢いで葉水を決行
原因がはっきりしないまま、一番可能性が高い「ハダニ」に照準を合わせた対策をとることにします。
「ハダニ」は水を嫌う習性があるので、取り敢えずの対策として農薬を使わずに葉水で様子を見てみました。
葉水と言っても、相手は鉢植えのような小さな観葉植物ではなく地植えされた柚子ですので、霧吹きなどでは埒があきません。ホースからジャバジャバと柚子の葉を洗う勢いで水を流します。
園芸用ホースの散水ノズル には散水する水のパターンがシャワーやストレートなど数種類あります。
この散水パターンの中で最も細かい水流パターンを選んで柚子の葉に散水しました。葉水というより葉の洗浄に近いイメージです。
このちょっと激しめの葉水を実際に行って気付いたのですが、葉っぱは想像以上に汚れています。葉に散水すると汚れた水がポタポタと落ちるのです。
また洗浄された葉は新緑には程遠いまでも、それなりに綺麗な緑色を取り戻すことがわかりました。
試しに何枚かの葉っぱを手洗いしてみたところ、手洗い前後では葉の色が全く違っていて、地植えされた庭木の葉の汚染度にあらためて驚きました。
全ての葉っぱを手洗いするのはとても無理なので、汚れの目立つ葉を数枚選び綺麗に洗浄します。
本来、葉水といえば霧吹きで静々と行うものですが今回はかなり攻めた感じの対策になりました。夏場の葉水なので夕方以降の時間帯に行うことも大切です。
しおれていた柚子の葉にハリが戻る
ちょっと激しい葉水でしたが、効果はすぐに感じられました。しおれていた柚子の葉は葉水をした翌日にはハリが見られるようになりました。
この葉水の効果に気を良くして1週間ほど葉水を続けてみたところ、葉だけでなく枝の隅々まで柚子の木全体に勢いがついてきたのです。
おかげで弱っていた柚子に元気を取り戻すことに成功しました。
まとめ:観葉植物以外の樹木でも葉を清潔にすると元気になる
無事に元気を取り戻した柚子ですがなぜ元気になったのかその理由がはっきりしません。
やや強めの葉水に効果があったのかもしれませんし、水流によってハダニが駆除されたのかもしれません。
葉水は鉢植えの観葉植物にこそ効果があると思われがちですが、「葉」を清潔に保つことは地植えの庭木の健康にも重要な意味を持つことがハッキリとわかりました。