引越して間もない頃、庭木の楓を枯らしてしまったことがありました。
楓は落葉樹で冬の間は葉がありません。
春になっても新葉が出てこないのでおかしいと思っていたのですが、どうやら冬の間に枯れてしまったようでした。
そんな事情もあって、ウチの楓は枯れてからも暫く放置されていたのです。
大切な楓を枯らした犯人はカミキリムシ
庭木には様々な害虫が発生します。
虫によっては樹木に致命的なダメージを与える害虫もいて、うっかり油断していると庭木にとって取り返しのつかない事態に発展してしまうこともあるのです。
ウチの楓に致命傷を与えた害虫はカミキリムシでした。
カミキリムシは強烈な害虫です。
木に産卵し、そこから孵化した幼虫は木の内部に入り込んで木を食い荒らすのです。
こいつにやられると庭木はあっという間に弱って、衰えた樹勢を元に戻すのは至難です。
庭でカミキリムシの成虫を見かけたら要注意。
どこかに卵を産み付けている可能性が高いので、しばらくは庭木の様子を良く観察する必要があります。
楓が枯れていることに気付いて、楓の周辺を見てみると幹に大きな穴が開いていました。
これがカミキリムシの幼虫による食害だと知ったのはずっと後のことです。
カミキリムシの被害に遭わないために
カミキリムシは弱った木を狙って卵を産み付けます。
健康な樹木には産卵しないのですが、仮に元気な木に産卵しても木から出る樹液によってカミキリムシの幼虫の活動が阻害されてしまうのです。
庭木の健康を保つことは害虫から木を守ることにも繋がるので、普段から庭木のお世話をして庭の観察を怠らないようにしなければなりません。
もし楓の幹に開けられた穴にもっと早く気付いていれば、ウチの楓は枯れなかったかもしれないのです。
枯れた庭木は朽ちる
当然のことですが植物は枯れると朽ちます。
我が家の楓は冬の間に枯れてしまったのですが、枯れてたことに気付かないまま春を迎えました。
新葉が出ずにおかしいなと思いながら、今年はちょっと遅いんだろぉなどと呑気に構え、ズルズルと梅雨に入ります。
梅雨が明け夏空が広がるころになって漸く楓の異変を意識するようになってきました。
楓ちゃんが枯れちゃったらしい。。。。
梅雨明け早々の夏空の下に届いた悲しいお知らせに家族もしんみりです。
真夏になっても葉をつけずに佇む楓をそのままにしておくのはあまりに忍びなく、思い切って抜くことにしました。
抜くといっても結構な大きさの楓ですので、こりゃ大仕事になりそうだと心配していたのですが、枯れた木は思いのほか簡単に抜けてしまいました。
我が家の楓は既に朽ち果てて、その根は腐っていて抗うことなく簡単に引き抜けてしまったのです。
腐った根に蠢く白い影。その正体はシロアリだ
大きな庭木も朽ちてしまうと簡単に倒れて、そして地面から引き抜くことが出来ます。
楓を地面から引き抜くとその根の周辺に何やら白く小さな生き物がモゾモゾと動いているではありませんか。
始めはそれが何かわからなかったのですが、直感的に「これはいいものじゃないぞ」と思いました。
見ていて気持ち悪いんですもの。
勇気を出してのぞき込んでみると、白い小さな蟻のような昆虫が無数にいます。
それはもう調べるまでもなくシロアリだとわかるオーラを放っていました。
引き抜いた楓の根にその白アリたちが無数に集っているのです。
全てを投げ出してその場から逃げ去りたい衝動をやっとのことで抑え込み、シロアリの住処と化した楓の根をビニール袋に突っ込んで真夏の陽が容赦なく降り注ぐ炎天下の駐車場に投げ出してやりました。
楓が枯れてからそれほど月日は経過していなかったと思うのですが、既にその根はシロアリの巣と化していたのです。
恐るべしシロアリの生命力。
枯れた楓の処理が遅れていたらシロアリはもっと増えていたでしょう。
庭で増えたシロアリが家の中にまで侵入しては一大事です。
今回は何とか早めに気付くことが出来て幸いでした。
シロアリを庭木に近づけないための5か条
ちょっとしたことに気を付けると庭木からシロアリを遠ざけることが出来ます。
- 庭に不要な木材を放置しない
- DIYでガーデニングを楽しんでいると不要になった廃材がどうしても出てしまいます。この様な廃材や残材を不用意に放置するといつの間にかシロアリの巣になってしまう可能性があります。庭には不用意に木材を放置しないように気を付けましょう。
- 庭木の管理を怠らない
- 庭木の元気がなくなってしまうと害虫に対する耐性が落ちてしまいます。庭木の免疫力を維持するためにも日ごろから肥料を施し、健康状態を管理しましょう。
- 枕木や木の杭など木製のエクステリアは防腐管理に注意する
- 木製のエクステリアは経年劣化すると腐ってきます。これはいくら防腐処理を施しても腐るものなのです。腐った木材はシロアリの格好の餌場になるので出来る限り庭に置かないようにしましょう。
- 雑草や落ち葉を放置しない
- 雑草が茂っていたり落ち葉が放置されていると湿度の高いジメジメした環境になってしまいます。シロアリは湿っぽい環境を好みます。シロアリの嫌がる環境作りを心がけましょう。
- 風通しを意識する
- 多すぎる鉢植えは庭の風通しを阻害します。鉢植えや庭の草花は度を越さず控え目な程度に育て、常に庭の風通しを意識しましょう。
庭木をシロアリから守るためには庭の環境を清潔に風通し良く適度な湿度を保つようにすることが大切です。
ありがちな庭の造りの中にもシロアリが繁殖する温床となりかねないデザインがあります。
シロアリのリスクを十分に認識してガーデニングを楽しみましょう。