生れて初めてスキレットを買いました。
スキレットを欲しがったのは私ではなくて旦那さま。
こんな重たいフライパンで料理なんか作れるかー!とスキレット反対派だった私ですが、使ってみてビックリ。
肉はくっつかない、油は少なくて済む、弱火でもしっかり火が通る、そして何より料理が美味しくなる。
スキレット反対派だった主婦がスキレットの特徴と毎日の使い心地をレポートします。
スキレットとはフライパンのこと
スキレットとはフライパンのことです。
鉄製のフライパンですが普通の鉄ではなく、鋳鉄(ちゅうてつ)という種類の鉄で作られた鋳物(いもの)のフライパンです。
ここ、わかりづらいので説明しておきますね(旦那の受け売りですけど)。
鋳鉄(ちゅうてつ)とは材料のことで、鋳物(いもの)とは作り方のことです。
鋳物は溶けた鉄を型に流し込んで製品を作ります。
スキレットは材料の鋳鉄を溶かして型に流し込んで作った鉄製のフライパンのことです。
スキレットとフライパンの違い
スキレットは古式ゆかしい鉄製のフライパンです。
スキレットとフライパンの違いを理解するにはフライパンの種類を理解する必要があります。
フライパンには下記のような種類があります。
- 鉄製フライパン
- 表面加工されたフライパン(テフロン加工(フッ素樹脂)フライパンやセラミック加工フライパン)
- アルミ製フライパン
- 銅製フライパン
- その他の素材で作られたフライパン
最近は表面をコーティング加工された薄くて軽くて焦げづらいフライパンがすっかり主流になって、生粋の鉄製フライパンにはあまりお目にかかりません。
スキレットの無骨な姿は私の持っているフライパンのイメージとかけ離れていて、フライパンとは全く別の調理器具かと勘違いしていましたが、スキレットは正統派のフライパンなのです。
スキレットの特徴
スキレットはフライパンですが、他のフライパンと比べて特徴があります。
それは「鋳物」であることです。
世の中のフライパンには鋳物でないフライパンも数多くあります。
鉄板をプレスして作ったフライパンや絞り加工して作ったフライパンなど、その加工方法が異なった製品があります。
スキレットは「鋳物」であるという点が他の鉄製フライパンと異なる点です。
鋳物の特徴は鉄の厚みにあります。
他のフライパンよりも鉄が厚いのです。
この厚みによって蓄熱性が高まって、特に肉料理が美味しく作れるのです。
スキレットの正しい使い方
スキレットは生粋の鉄製であるがゆえにその使い方にちょっとしたルールがあります。
ここではスキレットの使い方をまとめます。
スキレットを買ったら使う前にシーズニングをする
新品のスキレットに必ずやらなければならないことが「シーズニング」です。
「油ならし」とも言う作業ですが、これは鉄製フライパンの場合どんな製品にも必要な「初期化」です。
シーズニングの目的はスキレットの錆びを防ぐことと鉄臭さを取ることです。
シーズニングをしないで買ってきたままのスキレットでいきなり料理をすると鉄の臭いが料理に移ってしまい、不味くて食べられません。
だからシーズニングは必ずしなければなりません。
さてシーズニングの手順ですが、調べてみると色々なバリエーションがあって迷ってしまいます。
しかし幸いなことにシーズニングに失敗してスキレットが壊れたという話は聞いたことがありません。
つまりどんなに下手なシーズニングをしても大丈夫ということ。
だから安心して大雑把にやっちゃいましょう。
上手くできなかったらもう一度やり直せばいいんです。
うちの旦那さまは3回くらいシーズニングをやり直したことがあります。
シーズニングの手順は下記のとおりです。
- スキレットを食器洗剤で良く洗う(スキレットは製造時に錆止めが塗られているのでそれを落とします)
- 水分を良く拭く
- 強火で空焚きをする
- 油(オリーブオイルを使う)を入れて屑野菜を炒める
- 火を止めて良く冷ます
- 野菜を捨て、水で洗う(この時、絶対に洗剤は使わない!)
- 火にかけ水分を飛ばす
- スキレットが冷める前に軽く油(オリーブオイルを使う)を敷く
私(正確には旦那さま)はこんな感じでシーズニングをしました。
シーズニングが終われば普通のフライパンとして使用できます。
スキレットで料理をする
シーズニングが終わったら早速料理をしましょう。
スキレットを使って料理をするときには特に予熱(これを「プレヒート」と言います。)を怠らないようにします。
スキレットが十分に温まるまで予熱をしますが、中火で1分ほどが目安です。
スキレットが温まったら油を少量注ぎます。
油の量は料理にもよりますが肉料理などの場合はホントに少しの油で美味しく焼けます。
そしてスキレットで美味しい料理を作るための最大のポイントは「火の調整」です。
絶対に火を強くし過ぎないこと!中火以下の火力で十分美味しく出来上がります。
これ凄く大事なことです。
中火から弱火でじっくり焼くこと。
スキレットに注いだ油から煙が出るまで熱してから食材を入れるというレシピを見ますが、これは熱しすぎ。
料理の味は好みがありますが、適度な温度で食材を焼くと焼いているときの香りが違います。
熱すぎると食材の旨味を壊しちゃいます。
この辺は色々と試して一番おいしいと感じる塩梅で調整してください。
スキレットの洗い方
料理が終わったらお片付けですね。
スキレットを洗う時に絶対に守らなければいけない約束が2つあります。
1つ目は「洗剤は使わない!」ということ。
なぜ洗剤を使わないのでしょう?
それはせっかくスキレットに馴染んだ油分を落としてしまうからです。
鉄は油を浸み込ませることが出来ます。
長く使い込むほど油を吸収してフライパンとして風格が出てきます。
これが鉄の良さなのです。
だから食器洗剤を使って洗ってはいけないのです。
当然、スキレットは食洗機では洗えません。
2つ目は「熱いうちに水につけない!」ということ。
熱せられた金属を冷たい水で急冷したらすごい勢いで水蒸気がでますね。
最悪の場合、スキレットが割れてしまう可能性もあります。
スキレットを良く冷まして、でも完全に冷たくならないうちにお湯を使うと楽に洗えます。
タワシやスポンジで表面の汚れを落とした後に、弱火にかけて水分を飛ばしましょう。
キッチンペーパでふき取るだけでも大丈夫。
但し、水滴が残らないように丁寧にふき取ります。
水滴が残っていると錆びることがありますので気を付けましょう。
スキレットを焦がしてしまったときの対処
スキレットを焦がしてしまったら洗剤やクレンザーを使ってガンガン洗います。
この時に金タワシは使わないようにします。
鉄製とは言っても金タワシで擦ると傷がついてしまいます。
亀の子タワシや木べらを使って焦げを落とします。
水を張って沸騰させると焦げが落ちますので焦げ具合が酷いときにはお湯を沸かすようにします。
焦がしてしまうとどうしても洗剤で洗わなければなりませんし、スキレットの表面を強くこすります。
そうするとせっかくの油膜が落ちてしまいます。
油膜が無くなってしまうと錆び付きの原因になりますので、ここは面倒ですがもう一度シーズニングのやり直しです。
せっかく育てたスキレットをシーズニングからやり直すのはもったいないですね。
ウチの旦那さまはダッチオーブンを焦がしたことがありますが、いじけながらシーズニングをやり直していました。
でも鉄製の強みで、これでスキレットが壊れるわけではありませんので翌日からは普通に使えます。
スキレットで料理は美味しくなるのか?
さて、スキレットで作ったお料理は美味しいのでしょうか?
実際に作って食べてみましたが、今まで使っていたテフロン加工フライパンで焼いた料理とは焼き具合が全然違いました。
それは料理している最中から感じていたのですが、カラッとした焼き具合でムラなく焼きあがる感覚です。
「こんがり」という表現がぴったりの焼き上がりです。
まだ作ったメニューは多くありませんが、特に美味しく感じるのは肉料理でした。
ステーキ肉のように厚みのあるお肉は特に美味しく焼けます。
スキレットで調理した料理が美味しい理由は「熱伝導率」にあるそうです。
スキレットのような鉄製のプライパンは熱の通りがとても良く食材に無駄なく熱が伝わるのだそうです。
熱の通りの良さは料理中の火加減にも感じられます。
強火にしなくても十分に焼けるのです。
テフロン加工のフライパンではいつも強めの火力設定だったのに、スキレットでは弱火でも十分に火が通ってガス代の節約にもなりそうです。
テフロン加工されたフライパンと鉄製のスキレットでは熱の伝わり方が圧倒的にスキレットの方が効率がいいというデータがあるそうですが、それも頷けます。
テフロン加工フライパンは熱伝導率が悪いためになかなか食材に熱が伝わらず、ついつい強火のまま調理をしてしまいって食材を焼きすぎてしまう傾向があるそうです。
テフロン加工フライパンと比べるとスキレットの焼き具合が良く感じられるかもしれません。
スキレットの値段
旦那さまがとても欲しがっていたスキレットですが、購入を躊躇したわけは「値段が高い」からです。
でも定価はお高いですが、探せばお手頃な価格のスキレットも売っていて、今回入手したのはそんなバーゲンセールで買ったスキレットです。
loftのワゴンセールで価格もサイズもちょうど良いものを見つけて購入しました。
スキレットはLODGE(ロッジ)というブランドが有名で、旦那さまもこのメーカーの製品を欲しがったのですが、お高いので却下しました。
ブランドを選ばなければ1,000円以下でも購入できますし、ダイソーにも格安スキレットが売っているらしいのでお試しで購入してみるのもありです。
まとめ:スキレットのおかげで私でも料理上手になれた!
フライパンに利便性を求めるなら間違いなくテフロン加工フライパンです。
でも美味しい料理を求めるならば鉄製のスキレットは必携の調理器具だと、これは自信を持って言えます。
プロの料理人は殆どが鉄製プライパンを使っているそうですが、スキレットを使って料理をしてみるとその理由がよくわかります。
「鉄」というとても身近で普段の生活にありふれた素材のありがたみを食事を通して再認識することが出来ました。
スキレットは丁寧に扱えば10年も20年も使えるそうです。
今回初めてスキレットを使いましたが、これは主婦として一生の道具に出会えたような、それほどの衝撃を受けた調理道具でした。
簡単!毎日使える!スキレットの本 (エイムック 3121 ei cooking)
ムック: 79ページ
出版社: エイ出版社 (2015/5/26)
言語: 日本語
ISBN-10: 4777935981
ISBN-13: 978-4777935987
発売日: 2015/5/26