私は杉やヒノキのアレルギーがあって花粉の季節はくしゃみや鼻水、涙目などとても酷い花粉症の症状に悩まされています。
皮膚も元々強くありませんでした。
そんな私の身に降りかかった新たな試練が「しつこい湿疹」でした。
冬のある日、そのカサカサした湿疹は膝裏の柔らかい皮膚の部分に現れました。
花粉の季節でもないのに湿疹ができ困惑していたある日、毎日の入浴で使っている「垢すりタオル」の使用を止めると見る見る湿疹が治っていきました。
カサカサして痒い湿疹
その湿疹に気づいたのは痒みからでした。
場所は膝の裏です。
膝の裏は皮膚が柔らかく普段は陽に当たることも少ない場所です。
だから皮膚トラブルになることもあまり無いような、どちらかというと湿疹とは縁遠い場所だと思います。
元々肌の弱い私もそれまで膝裏に湿疹が出来たことはありませんでした。
そんな場所に痒みを感じ始めたのは11月の始め頃。
そろそろ木枯らしが吹き本格的な冬の到来とともに寒さが厳しくなるという時期です。
始めは無意識に膝裏をポリポリと掻く程度で、痒みにはほとんど気付きませんでした。
ところが徐々に痒みが増し、2週間もすると膝裏の異変をはっきり認識します。
しかしその頃はまだ痒い部位には湿疹らしい症状はなく、仄かに赤みを帯びている程度の軽症だったこともあって心配していませんでした。
酷くなる痒みと広がる湿疹
静かに始まった膝裏の痒みは冬の寒さが厳しくなり空気の乾燥が進むにしたがってどんどんひどくなりました。
たまにポリポリと掻いていた膝裏でしたが、12月の始め頃には掻きむしるようになってしまったのです。
湿疹はどんどん広がって、膝の裏全体が赤く腫れています。
その広がりと赤みを帯びた肌は家族が見てもひどい症状に見えるようで、
「どうしたのその湿疹?!」
と驚かれるほどでした。
この頃はまだ湿疹の原因が冬の乾燥した空気だと思い込んでいたので、春まで待てばすぐに良くなると楽観的に考えていて、皮膚科を受診することはありませんでした。
湿疹はステロイド剤の塗布で一時的に治まる
本当は医者が処方してくれた薬を素人判断で勝手に使ってはいけないのですが、以前家族が皮膚科で処方された湿疹の薬を膝裏にできた湿疹の患部に塗ってみました。
ステロイド剤が配合されているその塗り薬を湿疹の患部に塗るととても効果があって湿疹の赤みも痒みも治まっていきます。
すごく良く効くので毎日塗っていると湿疹もすっかり治まって、まるで完治したようになりました。
ところが薬を止めるとまた同じように赤くカサカサの湿疹が再発して痒みもぶり返します。
湿疹の薬は確かに効果があるのですが、それは一時的な効果で根治はしないのです。
これはもし湿疹が慢性化してしまったら厄介なことになりそうだと少しずつ心配になってきました。
湿疹の赤みが酷く、春から夏になっても治らなかったら足を露出する服装だと湿疹が目立ってしまう、それほど症状は進んでいたのです。
かといってステロイド剤を塗り続けるのには抵抗が感じられて、出来れば根本的に治したいと本気で湿疹に向き合い始めました。
柚子湯の効果は絶大
我が家の庭には柚子があって、毎年たくさんの実をつけます。
冬至のころは柚子の収穫にちょうどよい季節で、毎年自家製柚子をお風呂に浮かべた柚子湯を楽しんでいました。
しかしお風呂に柚子を入れるのは冬至の前後数日だけで、たくさん実った柚子の実を使いきれずにいました。
カサカサの湿疹が出来てしまったその冬も家族で柚子湯を楽しんだのですが、私以外の家族は柚子湯に入浴しても例年通り
「温まったねぇ」
という反応でした。
しかし、なかなか治らない湿疹に苦しんでいた私だけは柚子湯のお湯の柔らかさと保湿効果を誰よりも敏感に感じたのです。
柚子をお湯に浮かべたお風呂のお湯は柚子から出た油分がとても豊富で、その効果はお風呂上りでも体を温めてくれます。
更に柚子湯はお肌を保湿する効果も大変高くて、それは普段は気づかないのですが、湿疹などがあるととても良く感じられるのです。
湿疹で赤みを帯びた皮膚を柚子の油分がコーティングするような膜を作っているような感じでカサカサの皮膚に潤いが感じられるようになりました。
薬の塗布と柚子湯の効果で湿疹は段々と収束していく様子でした。
しかし、柚子は無限にあるわけでなく、我が家の柚子もいつしか採りつくしてしまって、また柚子の無い普通のお風呂に戻ってしまったのです。
するとカサカサの湿疹も再発してしまいました。
ナイロン製の垢すりタオルを止めると湿疹が治った
お風呂で体を洗う時、「垢すりタオル」を使う人は多いと思います。
私も垢すりタオルで毎日ゴシゴシと体を洗っていました。
垢すりタオルは体の汚れがすっきり落ちるような気がして気分爽快です。
ちょっとヒリヒリするような感じが毛穴に詰まった汚れまで掻き出してくれる気がして、ついつい必要以上に力を込めて擦ってしまいます。
お風呂で体を洗う時には全く無意識に、当たり前のように垢すりタオルで体を洗っていました。
しかし膝裏の湿疹が酷さを増すと、その患部を何かで擦るということが出来なくなってきます。
それは痒みを通り越して痛みになってしまったのです。
この頃になると湿疹は炎症を起こして、その患部は少し熱を帯びているような状態にまで悪化していました。
痛くて垢すりタオルなんか使えなくなってしまった私は手のひらに液体ソープをつけ、自分の手で直接体を洗うようになりました。
刺激の強い垢すりタオルで体を洗っていたのが、自分の手で洗うようになると全く洗った気がしません。
綺麗になった気になんか全然ならないのです。
しかし湿疹が痛くて手のひらでしか体を洗えないので仕方ありません。
そんな事情で暫く垢すりタオルを使えませんでした。
すると膝裏のカサカサした湿疹が少しずつ治まってくるではありませんか!
湿疹に少し改善の兆しが見えてきたころ、試しに垢すりタオルを使ってみましたが、案の定湿疹の患部はまた悪化してしまいました。
これはもう、しつこくてなかなか治らない湿疹の原因は「垢すりタオル」と断定しても良いと思えたのです。
湿疹の原因は人それぞれ
今ではお風呂で体を洗う時は垢すりタオルを使わずに、自分の手のひらで直接体を洗っています。
膝裏の湿疹はすっかり完治しました。
垢すりタオルを止めると体を洗うスッキリ感は楽しめなくなってしまいますが、それもすぐに慣れました。
私の場合、カサカサした湿疹の原因はどうやらナイロン製の垢すりタオルにあったようです。
冬場の空気が乾燥する季節と重なったことで湿疹の症状が酷くなってしまったのかもしれません。
本当は皮膚科を受診して医師の判断で治療すべきだと思いますが、通院しても恐らく症状を抑える薬を処方されるだけでその原因まで特定することはなかなか困難だと思います。
そもそも普段は忙しくてなかなか医者に診てもらえないですし、そういう方は多いと思います。
今回は偶然湿疹の原因に行き当たることが出来きましたが、これは本当に幸運でした。
実は昔から垢すりタオルを使って体を洗っていたので、まさか長年使っているものが湿疹の原因になるとは思いもしませんでした。
しかし人は加齢とともに体が変化するのですね。
背中やお腹のしつこい湿疹に悩む方も多いようですが、幼い頃から続けている習慣でも湿疹の原因になるかもしれません。
もう一度ニュートラルな視点で普段の生活を見直すと、意外なところに湿疹の原因が見つかるかもしれませんね。