高校野球 選手権大会の重み。全ての試合が引退試合

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子育て・受験・進学
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先日、日刊スポーツに高校野球に関する興味深い記事(「途中入部」の石巻工エース森が、感謝の力投で8強 – いま、会いにゆきます – 野球コラム 日刊スポーツ)が掲載されました。

その記事には高校で野球を続けることの難しさと、選手たちにとって高校野球が一つの大きな区切りであることが書かれていました。

高校球児を取り巻く事情や野球に対する球児たちの思い、そして多くの選手にとってこの選手権大会が人生最後の大会となることが書かれています。

記事では高野連(公益財団法人日本高等学校野球連盟)が発表した硬式高校野球部の継続率が過去最高になったということを引き合いに、「最後までやり抜く」環境が整えられたことを評価しています。

それと同時に部員数の減少も続いていて、その要因の一つに経済的な理由があると分析されていました。

高校野球はお金がかかる

高校野球は金銭面での負担が大きい部活動です。

まず高校野球といっても「硬式野球」と「軟式野球」の種別があって、どちらも金銭面の負担は大きいのですが「硬式野球」は特にその傾向が顕著です。

「硬式野球」と「軟式野球」は使用するボールに大きな違いがあって、硬式野球で使われるボールはプロ野球と同じとても硬いボールです。

その硬いボールを使うためにはグローブやバット、ヘルメットといった道具類はすべて硬式球の使用に耐えられる規格の道具を使わなければなりません。

この硬式野球用の道具類が非常に高価です。

しかも道具には寿命があって、硬式球野球の場合は道具の劣化も早く、高校3年間の間に買い替える必要もあります。

道具類に費用が掛かるということは、当然部費も高くなるということになります。

チーム全員で使用する共用の道具は部費で購入されるからです。

この様な金銭的な負担を保護者にかけていることを高校球児たちはよく理解していて、高校進学後まで野球を続けることを躊躇する大きな要因になっています。

高校で野球をやるには覚悟がいる

金銭的な事情もさることながら、高校レベルの野球は練習時間も長く練習内容も厳しくなります。

髪型は坊主ですし、他の生徒が青春を謳歌しているときも汗と泥にまみれて朝から晩まで野球の練習漬け。

練習が厳しいからといって、勉学を疎かに出来るわけではありません。

また大雪が降ったときなど、他の運動部に先駆けて雪掻きに駆り出されたりします。

普段の生活も野球部として厳しく指導されます。

野球部への入部はとても禁欲的な修行のような毎日を過ごすことになるのです。

高校で野球部に所属するには覚悟が必要なのです。

高校野球は野球人生の集大成

記事ではある球児を例に高校野球に掛かる金銭的な負担をレポートすると同時に、高校野球が野球を志す若者たちにとってどのような位置づけにあるのかを以下のように結んでいます。

「野球は高校野球まで」という選手は多い。
大学や企業で野球を続けることは当たり前のことではない。
野球人生をかけた集大成が高校野球にあるから、一つ一つのプレーが光り輝く。

高校球児たちが夏の選手権大会に臨む心情を的確に表現された良い文章だと思います。

僭越ですがちょっと補足させて頂くと、

大学や企業で野球を続けることは当たり前のことではない。

というこの部分は大学、企業ではどれだけ強く望んでも野球部に入部することは出来ないという事情を記述しています。

野球に限った話ではないと思いますが、大学・社会人レベルで野球を続けようとしても、そもそも野球部への入部を許して貰えないのです。

簡単に言えば素人はお断りですよ。ということです。

大学や企業で野球部に所属出来る選手は、高校時代に甲子園に出場したような凄い成績を残した選手だけです。

そういう意味では殆どの球児にとって、高校3年生の選手権大会は人生最後の大会になるのです。

野球人生をかけた集大成が高校野球にあるから、一つ一つのプレーが光り輝く。

と締められた言い回しには、やや大げさな感想を持つかもしれません。

この記事は冒頭で「継続率の高さ」についてレポートしています。

硬式野球部への入部を決めたら途中で辞めることなく、殆どの生徒が最後までやり通しています。

これはつまり高校で野球部に所属する生徒は「本気」で野球に向き合っているということ。

「本気」で野球に向き合う生徒たちは、その多くの選手たちが小学校低学年の頃から野球を続けています。

17歳、18歳という若い高校生たちは、その人生の大半を野球に費やしてきました。

高校球児たちにとって「野球人生をかけた」という言い方は決して大げさなセリフではないのです。

先日、高校野球の地方大会について下記のように記しました。

「高校野球の夏の選手権大会はほとんどの高校三年生球児にとって人生最後の大会という位置づけで、選手たちもそのことを良くわかっています。」

「人生最後の大会」などと仰々しい言葉で表現しましたが、日刊スポーツの記者さんも同じような視点で見られていたのだとこの記事を読んで共感しました。


2017年全国高校野球選手権大会への出場校も各地域での代表校が出揃う時期になり、いよいよ甲子園球場での大会が目前となりました。

地方大会を勝ち抜き、その地区の高校球児たちの代表として多くの期待を背負った選手たちの活躍が楽しみです。

まだまだ高校野球が気になる日は続きそうです。

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